さて、順調に読者を増やしている…?VRフリゲー連載のコーナーです。対応デバイスは『HTCVive』または『VivePro』です。今月も沢山プレイした中から6点をラインナップしました。
今回はなかなかの競合揃い。どれも良く出来ている優秀なアプリケーションです。今月は、厳密に言うと『ゲーム』ではない物も多くなってしまいました。体験系が多いです。
第1位 もはや現実!Googleの技術デモVR
Welcome to Light Fields
リリース日:2018年3月15日
体験時間:30分程度
プレイスケール:着席・立位
Googleが現在開発中のVR撮影技術である『Light Field』で撮影した風景をVR体験することができるアプリケーションです。このシステムの革新的な技術は『通常の360度VRと違い、頭を動かすことが出来る』ということです。
360度映像をVR上で見たりしても、球体の中にいる感が強かったり、立体360度VR映像でも頭を動かすと酔ったり(カメラ位置は動かせないため)するものです。今回の『Light Field』はこの点を全て改善しているVRカメラとなります。
頭を動かして物体を覗き込んだり、近づいたり、離れたりすることができるため、その体験は非常にリアルなものとなります。また1000を超える視点から風景を撮影しているため、周辺の物体全ての立体感、遠近感がほぼ完璧に再現されているのです。
これが本当に凄い。「これは、ほぼ現実だわ…」と思わず声を漏らしてしまった。今まで様々なVRゲームをプレイしてきましたが、コレに勝る立体感、現実感を表現しているシステムはありません。ダントツでこのアプリは凄い。
過去にSteamで配信されていた『Destinations』の中にあるプリセットファイルの完全な上位互換と言える出来です。(分かる人いるのかな…)あまりにもリアルに再現されているのでスクリーンショットではただの実写写真にしか見えない…。
今回のアプリケーションでは実験段階で撮影した数十種類の風景を体験することができます。中でもコンパクトな室内の風景が特に凄い。立体感が完璧です。撮影された人間も非常にリアル。唐突に出現するとちょっとビビります。
全体的に体験がリアル過ぎるので『VRゲームしてる感』が全くないのも面白い。『ワープして旅行してる感』といったらいいでしょうか。将来、このカメラが社会に普及すれば、様々な国、場所の疑似体験が可能となるでしょう。VRプレイヤーに夢を与えてくれる最新システムです。
第2位 誰でも簡単にバーチャル生配信が可能になる夢のツール
VirtualCast
リリース日:2018年4月13日
体験時間:1時間以上
プレイスケール:ルームスケール
ドワンゴ、インフィニットループが配信しているバーチャル生放送ツールです。ニコニコ生放送で有名な『みゅみゅちゃんねる』の放送主であるみゅみゅさんが開発したシステムをベースに設計されています。
というか、ほぼみゅみゅ教授のシステムがそのまま使われている印象。彼(彼女?)が生放送で行っていたバーチャルな先進的テクノロジーを誰でも簡単に扱えるようにしてあります。
素晴らしくコンテンツ量が多いのが特徴。生配信に特化した設備、コメント連動、バーチャルデスクトップ、ハリセン、ホワイトボードなどのアイテム、自由な背景、キャラ変更、そして生配信同士で凸などこれら全ての機能を無料で利用することが可能です。
「これで無料なのはおかしい…」と疑心暗鬼に陥りそうになる大盤振る舞いなソフトウェアです。システムに大変感動したので1記事個別で書いてしまいました。詳しくはそちらをご覧頂ければと思います。
第3位 雨を操る女の子と一本のメガネの物語
Google Spotlight Stories: Rain or Shine
リリース日:2018年3月20日
体験時間:10分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
当連載でも同じみのGoogle Spotlight Storiesです。毎回素晴らしいクオリティに感動。今回は雨雲を操る女の子と一本のメガネのお話。グラフィックはこれまたお馴染みのトゥーンレンダリング調で表現されています。
物語中は女の子があちこち走り回るのですが、これに連動してカメラが動きます。『酔い』が心配になりますが『Google Earth VR』のように移動時は視野を狭めてくれるので快適にプレイすることができました。
ストーリーとしては、雨雲を局地的に呼び寄せる謎のメガネを入手した女の子のお話。メガネを掛けたときだけ、自分の周りに真っ黒な雨雲を呼び寄せ、局地的に大雨にすることができます。なかなかおもしろい設定。
ストーリー中。カメラはずっと『お天気側』からストーリーを眺めているのですが、後半に少しだけ『局所的な豪雨のメガネの中の世界』にカメラが入ります。このタイミングが一番の見所。世界が一変する様は迫力あります。
全体的にアメリカ風の教育番組のような出来上がり具合です。安心して見られるショートムービーとして体験してみてください。
第4位 橋を渡れ!純日本風の癒やしブリッジゲーム
Bridge Trek
リリース日:2018年3月12日
体験時間:15分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
ランク外にしようか若干迷った作品。日本庭園風に表現された箱庭を自由に散策できるゲームです。風景が非常に綺麗なので高評価。水辺で踊っている蝶や池にいる大量の鯉に心が癒やされます。
基本的にはタイトル通り『橋』が随所に設置されており、これを渡ることをメインとしているゲームです。しかし『高所体験』とはまた少し違う雰囲気。どちらかというと橋からの風景を楽しむ癒やしゲー。
操作はワープとスライド移動の二通りあり、ワープでは淡々と進んでしまいますが、スライド移動でプレイすると結構難しい。スライドでプレイすることによってちょっとリアルな橋渡り体験ができるようです。(端っこに移動すると橋が揺れて落ちたりする)
一応、順路通りに進むとゴール地点のようなものも設置されており、たどり着くと『クリアおめでとう!』的な案内がでます。クリアしたからといって、特に追加イベントや褒美があるわけでもありませんが…笑
ランク外の惜しいゲーム
Kinese
リリース日:2018年3月16日
体験時間:15分程度
プレイスケール:立位・ルームスケール
タイトル通り、念力系のゲームです。このゲームの最大の特徴はコントローラを仮想空間で操作するわけではなく、コントローラ降って重力を操作することがメインとなる点です。ゲーム中はコントローラは非表示です。
コントローラ降った方向に重力が加速します。操作はこれだけ。はじめは緑の小さなブロックしか動かせませんが、緑のブロックで他の立方体に触れることによって、動かせるキューブを増やしていくことができます。
最終的には大量のブロックを重力操作することに。数が多すぎて訳わからなくなりますが、これが結構楽しい。大変シンプルなゲームですが、これをベースとしてゲーム開発ができそうな可能性を感じる作品です。
Robo Boop
リリース日:2018年3月14日
体験時間:30分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
360度、無重力で浮いているブロックの色を変えて消していくという、パズルゲームのような作品。音楽も良く、一見リズムゲームのように見えますが音は関係ありませんでした。
ゲームモードも豊富に用意されており、ステージ制、リミットありで次々に出現する無重力ブロックを同じ色に揃えるモードやエンドレスでスコアを競うモードなどが存在します。パズル系が好きな人は結構遊べそう。
しかし、全体的にやや単調に感じてしまいました。ブロックの数や種類、時間などでゲームモードは沢山あるのですが、色を変えるという点では同じなので、もう少しバリエーションやステージ(風景変更)などがあると長く遊べると思います。
次回もお楽しみに!
如何だったでしょうか。今月は『Light Field』などの圧倒的な最新技術体験もあり、大変テンションが上がるVR体験となりました。このような技術の進歩は大歓迎です。ぜひ、今後も開発が続けられて欲しい。
そして、そのような技術がドンドン開発されていくためには、VR市場が盛り上がっている必要があると思います。このVR市場を盛り上げるためにも、私は一人のVRプレイヤーとして発信を続けてく所存です。
また、その一環として『VIVE PRO』も入手しました!来月からはこちらに切り替えてVRレビューを行っていこうと考えております。来月以降もよろしくお願いします。また見てね!