HTCVive(VIVEPRO)対応のフリーVRゲームの新作を紹介する連作コーナー、5月版となります。今回は全体的にクオリティの高いゲームが並ぶ豊作月となりました。過去のバックナンバーは下記リンクから飛べます。
第1位 複数のコンテンツが遊べる!VIVE公式の高品質ゲーム
Ready Player One OASIS beta
リリース日:2018年3月23日
体験時間:2時間以上
プレイスケール:ルームスケール
映画『レディプレイヤー1』の公開記念に配信されている公式ゲーム。全てのコンテンツを無料で遊ぶことができます。SteamVRゲームとしては珍しく日本語にも対応しています。
プレイヤーは実際に映画に登場したようなHMDを被ることでゲームスタート。OASISの世界にダイブすることができます。ロビーのような部屋で4つのゲームへワープするシステムを操作できます。
基本的には4つのゲームは異なる仕組みで作られている(製作元が違う)ようであり、選択すると別で起動する仕組みになっているようです。
1つ目はダンジョン冒険ゲーム。弓を片手に迷宮を進みます。移動もフックショットのようなシステムで放物線状にワープする仕組みになっています。
敵は主にガイコツ戦士がメイン。HPが設定されているので数発打つか、ヘッドショットを決めないと倒せません。結構難易度は高めです。
落ちているリンゴを食べて回復する機能や金貨を回収する仕組みなども細かく調整されており、無料とは思えない上質なクオリティです。金貨などを集めた合計スコアを世界のプレイヤーを競います。
2つ目はCPUとボール系ミニゲームが遊べるコンテンツ。無重力ホッケーのようなシステムであり、自分の後ろにボールが行かないように食い止めるゲームです。逆に相手の後ろにゴールすることでポイントを稼げます。
ウェーブのような波が起こるスキルを使用することによってボールを減速させたり、打ち返すパワーを調節することで戦略を変えて戦うことができるようです。
現在はシングルプレイのみに対応しており、マルチ非対応です。アップデートで対応するような雰囲気ですので、アップデートを待ちましょう。
3つ目は非移動型シューティングゲーム。IOIに攻撃される前に殲滅することが目標です。攻略するごとにアップグレードされる武器を両手にドローン型戦闘機やIOI職員を倒します。
ウェーブごとに背景が変わるステージ制が採用されており、クリアする毎にスコアが精算され、新しい武器などが手に入ります。両手に別々の武器が持てる&リロードも必要なので操作は結構難しい。
基本的に移動、ワープの必要がないので狭い室内でも平和にプレイできるし、ステージ毎に小休止できるので満足度は高かったです。
4つ目は戦場で映画っぽい体験ができる移動型シューティングサバイバルゲームです。武器も6種類から選択できるし、アバターも設定可能。移動方法もワープorスライドが選択できたりと至れり尽くせり。
実際に移動しながら、隠れながら銃撃戦を繰り広げたり、敵を倒した際に映画のようにコインを回収できたりとクオリティは非常に高いです。プレイしていて結構テンションあがりました。
しかし難易度は非常に高く、常に移動しながら戦わないとあっという間にHPがゼロになります。基本的にはオンラインプレイのようですが、筆者環境ではNPCばかりワラワラと出現する展開に…。人が多い時間帯にプレイするといいかも?
『Ready Player One OASIS beta』はSteam内の評価が微妙な作品ですが、恐らく映画レディプレイヤー1のような世界観でオンラインゲームができると楽しみにしていたユーザーの評価だと思います。このゲームはオンライン要素が少なく、レディプレイヤー1の要素も多くはありません。
しかし、無料配信のSteamゲームとして考えるとトップクラスのクオリティなのは間違いありません。レディプレイヤー1とタイトルを付けなければ、間違いなく評価が良くなったでしょう。ある意味惜しい作品です。
第2位 VRならではの快感 新感覚パズルゲーム
Cubism
リリース日:2018年
体験時間:1時間程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
かなりシンプルなVR専用パズルゲーム。空間に浮かぶ透明な型枠にぴったり入るようにカラーブロックをはめ込むゲームです。日本語には対応していませんが、感覚で分かるようにシステムが洗煉されているのは高評価。
デモ版では10個程度のお題が用意されており、指定された立体枠にバラバラのカラーブロックをよく考えてはめ込みます。最初のモノはほぼ平面なので簡単にクリアできますが、難易度が上がると複雑な立方体にレベルアップするのでかなり難しくなります。
このパズルゲームの面白いところは、VRならではの無重力立体パズルであることです。お題もブロックも360度回転させることができるため、多方面から思考することができるし、お題側も柔軟な発想ができます。
幼児教育に使いたいレベル。(斜視等を考慮すると幼児のVRプレイは非推奨ですが…)よくできています。パズル以外の要素(背景など)を徹底的にシンプルにしているのも良いポイントです。動作が軽いのでスペックに自信がない方にもオススメです。
第3位 厨ニ心をくすぐる船長体験!大航海ゲーム
Voyage Senki VR
リリース日:2018年4月16日
体験時間:20分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
海賊船の船長となって、組員と船を操り大航海を繰り広げるシュミレーションゲーム。グラフィックも美しく迫力も凄いです。本当に船に乗っている感覚がリアル。
襲い来る敵の海賊船や砲台なども迫力満点。こちら側も砲台を操り撃退します。中にはハイドラのような巨大怪獣が襲ってくることもあり、テーマパークのアトラクションのような面白さがあります。
攻撃方法も数種類から選ぶことができ、船自体から魔法が出るようなエフェクトが楽しい。遠距離、近距離用の攻撃があるようです。
全体的にめちゃくちゃ面白いので、体験的には高評価なのですが、大きな欠点として動作が非常に重いということが挙げられます。正直、マトモにプレイできるユーザーはかなり少ないのではないでしょうか。本当に激重です。
かなりの数のVRゲームをプレイしてきましたが、歴代三本の指に入るレベルで重いです。Steam内の評価が微妙なのですが、恐らくコレが原因じゃないかと。
現状ではバグも多く、体験時間も短めのため、今後のコンテンツの追加や不具合修正、重さ解消などに期待です。
第4位 巨大怪獣になって街で大暴れ!映画公式のVRゲーム
Project Rampage VR
リリース日:2018年4月6日
体験時間:30分以上
プレイスケール:ルームスケール
映画に登場する巨大生物になりきって街を走り回ったり、ヘリを破壊したりとやり放題なVRゲームです。スケールのデカイ怪獣視点になるので街がめっちゃ小さい。
物を投げる、走る、しゃがむ、ビルを登るなど一通りの破壊行動ができるのでストレス解消にピッタリ。ゲーム性があまりないのが残念ですが、グラフィックのクオリティはかなり高めです。
チュートリアルが終わるとラボ的な所でクエストを選択可能。目標を達成することで別の巨大生物が開放され、新たになりきることが可能になります。
怪獣によってはガンのような遠距離攻撃が可能であったりするのでシューティング要素もあったりと、アクション性が強いゲームです。何かを壊したい(?)衝動に駆られた時に如何でしょうか。
第5位 あの有名ゲームがSteamに登場!扇風機になりきれ!
VR benchmark Kanojo
リリース日:2018年4月19日
体験時間:10分程度
プレイスケール:着席・立位
あの有名美少女ゲームがSteam版になって再登場しました。当時メーカー公式HPで配られていた体験版は結構癖が強く、扱いづらいシステムで苦労した(あまり楽しくなかった)のですが、今回はかなりシステム面が改善されています。
無駄にデスクトップ操作する必要もなくなったし、VIVEコントローラにも標準で対応、対象に触れる、掴むこともできるようになりました。また、体験版の内容自体も大きく変化しています。
製品版がプレイできるかベンチマークテストできるモードや、お馴染みの扇風機になれるモードも搭載。シナリオっぽい会話イベントも体験できます。設定も細かく変更でき、VR上のスマホで撮影することも可能。
グラフィックもかなり丁寧に作られており、全体的に満足度の高い作品です。しかし『美少女ゲーム』という性質上、ゲーム内容を不快に感じる層もいると思うので念の為注意です。
ランク外の惜しいゲーム
Amigo Fishing
リリース日:2018年4月12日
体験時間:分程度
プレイスケール:着席・立位
水中でお手軽シューティングを体験できるVRゲーム。無限に流れてくる大量の魚たちを自由に射撃します。爽快感はかなり高め。銃を撃つためにコインを消費する仕様となっているようです。
一定数撃破したり、目標をクリアすることによって新たな武器や特殊アイテムが開放され、より有利に立ち回ることができるようになります。
個人的にかなり楽しかったゲームですが、コインが切れた際に課金する必要がある『課金ゲー』なのが残念なポイント。しかしイベントクリアやクエストクリアである程度のコインは獲得できるため、実際に課金が必要になるまでプレイするユーザーは少ないでしょう。
Revoke Demo
リリース日:2018年
体験時間:15分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
ハイクオリティな移動型アクションシューティングです。グラフィックはかなりのモノ。右手で銃連射リロード、左手で特殊スキル、アクション切り替え、移動と操作がかなり難しいです。
操作が難しいことに加えて、敵の攻撃もメチャメチャ激しく、筆者はわずか15秒でゲームオーバーに…笑。かなり難易度が高いシューティングです。常に移動していないと集団に撃たれてあっという間にHPがゼロです。
また、左手の特殊能力で時間をスローにできるのがこのゲームの最大の特徴であり、これをうまく駆使しないと戦場で生き残れません。スロー中はマトリックスのように弾丸がスローになるなどかなりエフェクトが凝っています。
Deadly Cryptids
リリース日:2018年4月11日
体験時間:20分程度
プレイスケール:着席・立位・ルームスケール
砂漠で奇怪な怪物たちと戦うシューティングゲームです。オートリロードありなし、エイム補助ありなしなど設定も豊富でシューティングゲーム初心者にも扱いやすい印象。
登場する射撃対象のクリーチャーはかなりグロテスクなものが多く、耐性が無い方にはおすすめできません。わりかし巨大なものも登場するので食後はやめたほうが良いかも。
初期設定(チュートリアル)が結構面倒で、英語を読み飛ばしているようなタイプは苦戦するかも…。説明、設定多めでなかなかゲームが始まりません。
次回もお楽しみに!
如何だったでしょうか。今回はどれもそれなりに面白かったためランクをつけるのが難しかったです。良く言えばどれも遊んでも楽しいよ!ということ。ハズレ要素は少ないです。
また、今まで『デモ版』のゲームを全然紹介していなかったことに今月ようやく気づきました…。機会があれば『オススメのデモ版が遊べる有料ゲーム』でも1記事書いてみようかと思います。最後までありがとうございました。