Nexusシリーズといえば、Googleが初めて自社のロゴを前面に押し出して「Googleのスマホ」として売り出した機体になります。世界中で人気を誇り、スマホ、タブレット端末は12種も発売されることとなりました。
しかし、2016年に新しいGoogleスマホ『Pixel』が発表されたことにより、Nexusシリーズはそれ以降発売されることはなくなり、2017年には『Pixel2』が発表されるという流れになりました。
今回は、そんなシリーズ自体が終わろうとしているGoogleのNexus端末の歴史を振り返ろうと思います。
1号機 NexusOne
開発メーカー:HTC
Androidバージョン:2.1
2010年に初めて発表されたNexusシリーズ第1段です。HTCが開発を手がけており、Androidバージョンは2.1となります。残念ながら日本では発売されていない端末です。アメリカ、イギリス、シンガポール、香港などで販売されていました。
販売方式も限定しており、対応国以外からの購入等を制限していたため、販売台数はそれほど伸びなかったようです。バッテリーも1400mAh、内蔵メモリも512mbとなかなか時代を感じるスペックとなっています。
2010年といえば、既にAppleはiPhone4を発売しており、デザイン性、操作性はiPhoneの圧勝だったとも言えるでしょう。
2号機 NexusS
開発メーカー:Samsung
Androidバージョン:2.3
こちらも2010年の末に発売されたNexus端末2号機です。開発メーカーはSamsungとなっており、Androidバージョンは2.3からはじまり4.1.2までサポートされました。また、この頃からNexusシリーズは外部のSDカード等をサポートしないようになったようです。
画面サイズは4インチ、解像度は800×480となかなか時代を感じる一品です。しかしこの頃の端末は、現行のスマートフォンより小さく仕上がっていることも特徴であり、日本人の手には馴染みやすかったと言えるでしょう。
こちらの端末も日本では未発売です。しかしアメリカのNTTdocomoでは2011年より取扱を開始した経緯があります。徐々にNexusが日本に近づいてきているような印象を受けますね。
3号機 GalaxyNexus
開発メーカー:Samsung
Androidバージョン:4.0
2010年のNexus sから1年、再びSamsungが開発した端末がgalaxyNexusです。Androidバージョンは4.0を搭載、ディスプレイは1280×720まで引き上げられ、カメラ機能も大幅に強化されたハイスペックスマホとして発表されました。
SamsungのgalaxyとGoogleのNexus、両方の名前をとって付けられた機種名に恥じないスペックを持つモンスタースマホの登場でした。端末のストレージも32gbまで対応しており、現在でも十分に戦える容量です。
また、この端末は日本で販売が開始されたはじめのNexusとなります。記念スべき日本デビュー作ですね。この頃になると、随分と端末デザインが洗礼され、綺麗になってきています。
4号機 Nexus7(2012)
開発メーカー:ASUS
Androidバージョン:4.1
台湾のメーカーであるASUSが開発を手がけた、exusシリーズ初のタブレット端末です。画面は7インチを搭載、解像度は1280×800と当時では申し分ないスペック。現在でも電子書籍の閲覧程度では不便を感じないでしょう。
こちらの端末も日本で幅広く販売されたため、見かける機会は多かったのではないでしょうか。筆者の周りにもNexus7を持ち歩いている友人が何人かいました。皆、「バッテリー持ちが悪い」と言っていたことを覚えています・・。
Socもクアッドコアを採用するなど、スペック面でも非常に優秀な端末だったので、ゲーム用途としても使われていた記憶があります。
5号機 Nexus10
開発メーカー:Samsung
Androidバージョン:4.2
2012年にSamsungと共同開発という形で発表、発売された10インチ大型タブレットです。画面解像度は脅威の2560×1600ピクセルであり、現行のスマートフォンと同等、もしくはそれ以上のドット数を実装しています。
もちろん当時のiPadRetinaを余裕で上回るスペックだったため、大きく報道された端末でもあります。この頃になると、ブラウザはAndroidBrowserではなく、GoogleChromeが標準で搭載されるようになります。
高解像度IPS液晶、2gbメモリなど、当時のフルスペックを搭載していながら、価格は399ドルと破格の値段でした。この端末は2013年に日本でも販売が開始されたモデルです。
6号機 Nexus4
開発メーカー:LG
Androidバージョン:4.2
LGエレクトロニクスによって開発されたNexusシリーズのスマートフォンです。画面は4.7インチ、解像度は1280×768と標準的なスペックを搭載し、Socはスナドラのクアッドコアでした。筆者も店頭で触りましたが、デザイン性が非常に良かったことを覚えています。
物理ナビゲーションキーは完全に廃止され、ソフトウェア方式となっています。そのため画面の幅が非常に広く、端末の大きさのわりにディスプレイが大きいです。日本では少し遅めの2013年に発売されました。
2014年にはイオンが格安SIMの契約端末として売り出したことでも有名です。「イオンのスマートフォン」というキャッチフレーズで販売されていました。
7号機 Nexus7(2013)
開発メーカー:ASUS
Androidバージョン:4.3
ASUSが手がけるタブレットであるNexus7の後期バージョンとなります。端末名は変えずに端末の大幅なスペックアップが施された一品です。画面解像度も1920×1200ピクセルに変更されています。
初代Nexus7で問題となったバッテリー持ちの問題も、内臓のバッテリー容量を減らしながらも、ソフトウェアの最適化により大幅なバッテリー持ち改善を実現しました。また、無接点充電技術にも対応しており、Qiを使うことによって無接点充電が可能です。
LTEモデルはシムフリー端末として日本でも販売され、Google Play Storeから入手することができました。
8号機 Nexus5
開発メーカー:LG
Androidバージョン:4.4
2013年に発売されたLGとGoogleの共同開発モデル、Nexus5です。この端末は筆者も所有していましたので、使い心地は良く知っています。一言で言うと、神機種でした。レスポンスが非常によかったことを覚えています。
Socはスナドラの800、2,26Ghzクアッドコアを搭載し、素晴らしい動作を実現していました。レスポンスに何一つ不満はありませんでしたが、バッテリー持ちだけはよろしくなかったです。メモリも2gb、標準でシムフリー、しかも値段がめちゃめちゃ安い。良い機種でした。
同機種は2015年3月まで販売されていた、比較的ロングランの機種です。日本ではイー・アクセスが販売していたことでも有名ですね。
9号機 Nexus9
開発メーカー:HTC
Androidバージョン:5.0
8.9インチのタブレット型Nexusモデルです。HTCが開発を担当しています。SocにはNVIDIAの物が使われており、Nexusシリーズでははじめの64Bit対応モデルとなりました。メモリは2GB、ストレージは最大32GBとミドル帯のスペックでした。
日本でも11月に販売が開始されたため、国内でも入手可能なモデルでしたが、あまり話題にはなりませんでした。
10号機 Nexus6
開発メーカー:Motorola
Androidバージョン:5.0
Motorola開発の5.96インチを搭載するNexusシリーズファブレット端末です。Socにはスナドラ805が搭載されており、最大2.7Ghzで駆動するモンスタースマホです。Qiを使ったワイヤレス充電でも対応、Nexusシリーズ初の防滴対応など、なかなか魅力的なスペックでした。
問題と言えば、サイズ感がでかすぎる(重すぎる)ことでしょうか。微妙なサイズのため、友人にもたせてもらった時にスマホとしては違和感を覚えた機種でした。ほぼタブレットに近い感覚です。
こちらのモデルは日本でもグーグルプレイからも入手可能であり、ワイモバイルからも契約することで入手できました。
11号機 Nexus6P
開発メーカー:Huawei
Androidバージョン:6.0
GoogleとHuaweiの初タッグスマホ、Nexus6Pです。画面は5.7インチの大型スクリーン、スナドラ810 8コア、メモリ3gb、2560×1440の高解像度、薄さは7.3ミリとかなりのハイスペックモデルとなります。
このモデルは筆者も所有しており、以前に詳細なレビューを掲載しましたので、詳しくは『Nexus6Pのレビュー』を見てもらえればよいかと思います。
日本ではSoftBankが販売を開始、元の価格の割に早い段階で一括0円になった激安スマートフォンとしても有名です。
12号機 Nexus5X
開発メーカー:LG
Androidバージョン:6.0
GoogleとLGの共同開発モデル第三弾のNexus5Xです。Socにはスナドラ808ヘキサコアが採用され、液晶は5.2インチの1980×1080ピクセルと申し分ないスペックでした。当時オークション等でも活発に売買があったことを覚えています。
こちらは日本でもかなり幅広く販売されたモデルであり、グーグルプレイ、NTTdocomo、ソフトバンクで契約、購入が可能でした。
また、このモデルがNexusシリーズ最後のスマートフォンとなります。
最後に
如何だったでしょうか。Googleは様々な電子機器メーカーと手を組み、実に12種のスマホ、タブレットを世に送り出してきました。現在ではpixelシリーズの展開に力を入れているようであり、NexusシリーズはNexus5xで打ち切りになりそうです。
pixelの開発を手がけるHTCの開発部門をGoogleが買収したことも記憶に新しいです。いよいよ本格的にスマホ市場への参入を模索しているということでしょうか。今後のGoogleの動きに注目が集まりますね。
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