”おとくケータイNET”や”ケータイ乗り換えCOM”などのネット型ソフトバンク契約代理店ですが、一般的な店舗型のソフトバンク代理店よりも遥かにお得な特典(キャッシュバック)があることが特徴です。
額面にして3万~6万円ほど。振り込んでくれたり、現金で渡したりしてくれます。圧倒的にこっちにしたほうがいい!というレベルでお得なのです。でも、「なんだか怪しい…」と思う人も多いでしょう。
そこで、今回は”実際にネットで契約して2年維持した経験もある筆者”がキャッシュバックのカラクリや契約して本当に問題ないのか?などについて解説したいと思います。
代理店とは?あなたの街のショップも全部代理店です
まず、おさらいしておいて欲しいのが「代理店」というシステム。docomoでもAuでもSoftBankでもお馴染みの経営形態です。一般的にはキャリア(docomoとかAUとかSoftBankのこと)から機材を借りてショップを運営しているお店のことを指します。
ここまで言えばわかるかもしれませんが、あなたの町で見かけるほぼ全てのショップは”代理店”です。直営ではありません。全く関係のない別の会社が運営しています。
実際にキャリアが直営している店舗というものは10件(SoftBank&AU、docomoは20件程度)ほどです。auは現在2500店舗ありますが、直営は10店舗ですので250軒のショップを訪ねたらようやく一軒直営が見つかる計算です。
以上のことから日本のケータイショップはほぼ全て代理店といって良い状況です。そしてこれを運営している会社は経営を維持するためにお金儲けをしなくてはいけません。ここまでのシステムを頭に入れておいてください。
代理店(会社)はどうやって儲けてるのか
代理店を運営している会社は経営を維持するためにお金儲けすることが必要です。でもキャリアの端末を契約させて、更にショップを運営してどう稼ぐのか?毎月100万円~200万円以上かかる家賃も必要です。
キャリア側からもある程度安定した報酬が支払われますが、わずかな額であり店舗が維持できるほどの収入は得られません。ではどうやって経営を維持させているのか?
答えは”契約獲得によるインセンティブ”です。顧客が契約してくれたという”成果”の数によってキャリアが代理店に報奨金を支払うのです。この報酬額が凄い。これを頼りに店舗を運営しているというワケ。
代理店にアプリの相談や、修理対応、プラン変更などを相談しにいったりしたときに、なんだかめんどくさそうな対応を取られらことはありませんか?アレは”対応してもたいして儲からないから”です。
逆に、フラッとお店に立ち寄ったら聞いてもいないのにやたら機種をオススメされて、契約を迫られたりしませんか?アレは”そうしないと会社が潰れるから”です。契約のインセンティブが経営のカギなのです。
更に他社から乗り換え(MNP)をしてもらうと更にインセンティブは増えます。ライバルから顧客を引っこ抜いてくれたワケですからね。頑張った代理店にご褒美を与えるということです。
ネット代理店はなぜキャッシュバックが高いのか
ここまで、代理店はどうやって儲けているのか?について解説してきました。では「なぜ実店舗ではキャッシュバックが無く、ネット代理店では高額キャッシュバックがあるのか」について説明します。
理由は大きくまとめると2つあります。1つ目は”経費の安さ”です。通常の店舗型では都会繁華街の小さなお店でも月100万円~200万円ほどの家賃が必要となります。更にこれに相談対応、顧客対応の人件費が加わる。
一方ネット代理店は町中の店舗は不要(最近はビルの一室に店舗を持つこともある、詳細は後述)であり、人件費に関しても電話応対、メール対応がメインとなります。契約後の修理相談やアプリの相談なども一般的なユーザーは近くの実店舗に行くため、基本的に応対することはありません。
この”経費の安さ”がまず1つ目、2つ目は”薄利多売が可能”であるということです。ネット代理店は、一般的な実店舗と違って電話や郵送の契約となるので全国に顧客を持つことが可能です。
このため地域の店舗とは比べものにならないレベルの数の顧客と契約することができます。よって”一人あたりの利益が薄くても数で儲けることができる”のです。比較した例を作ってみました。
経費(顧客一人3万と考えて)3万x100人 -300万円
顧客に還元するお金 0万円x100人 -0万円
キャリアから貰える報酬 10万円x100人 +1000万円
利益 700万円
■ネット代理店の場合
経費(顧客一人2万と考えて)2万円x10000人 -20000万円
顧客に還元するお金 6万円x10000人 -60000万円
キャリアから貰える報酬 10万円x10000人 +100000万円
利益 2000万円
かなり大雑把に作りましたが、ネット代理店の薄利多売型では顧客に6万円還元しても利益額は高くなるというワケです。
最近のネット代理店はビルの一室(家賃安い)などに実店舗を持つことが増えましたが、これは”実店舗を設けたほうが怪しさも薄くなり、顧客が大幅に増える”ことを見込んで実施しているのです。
より顧客を増やすことによって利益額を上げれば、店舗費用は賄えるというカラクリ。元々の契約数が多いからこそできるキャッシュバックシステムなのです。
ネット型は普通に運営してても儲かるのに、なんでキャッシュバック付けるの?
ここも疑問なポイントかと思います。ネット型は経費も安く、全国ユーザー対応で薄利多売が可能。めっちゃ儲かる、なのになぜ自らの利益を大幅に削ってまでキャッシュバックしてくれるのか?
ここが難しいところなのですが、これには”ネット型の弱点”が関係しています。それは『ほぼ必然的にユーザーに「怪しい」「めんどくさい」と思われてしまうということ』です。
これがどれほど痛いことか。薄利多売によって利益を維持しているネットショップは契約数が非常に重要になってきます。キャッシュバックなしでは「なんか怪しいし、電話とか面倒くさそうだし近所のショップでいいや」と考えられることがほぼ確定してしまうのです。
ここをゴリ押しするのが「高額キャッシュバック」というワケ。「面倒くさそうだし、怪しいけど、チャレンジしてみる価値はある額だな…」と思わせる額面を用意しているということです。
番外編:オプションをやたら付けられる理由
ついでにオプションのカラクリについても解説します。ショップなどで「◯◯オプションも付けてくれたら値引きできるんですけどね…!」とか「◯◯プランに一ヶ月だけ入ってもらうことが条件です!」とか言われたことありませんか?
これにもインセンティブが関係しており、オプションやプラン一つ一つに明確に報酬が設定されているのです。要は、つければ付けるほど代理店は儲かる。
やたらとよくわからないオプションをつけようとするのはそういうこと。大抵の場合は32日間継続すれば代理店側の報酬が確定するため、その後は変更、解除してもOKであることが多いです。「不要なら外してください」と意味のわからないことを言われるのにもちゃんと意味があります。
もちろんネット型代理店でもこのようなインセンティブは発生しており「過度な勧誘をされるかも…」と思われがちですが、実際は店舗型より勧誘は少ないです。
なぜなら、顧客数が多すぎてネットリとオプション勧誘するような余裕がないからです。薄利多売をメインに商売しているので一人にそんなに構ってられないのです。だからキチンと条件は決まっています。(統制されている)
「そんなオプションいらねーよ!」と交渉しても「では◯◯円減額になります」とドライでシンプルな対応をされることがほとんど。基本的に契約は凄いアッサリです。
最近では、説明も簡単でトラブルも少ない”ギガモンスター”や”保証パック”などのオプションのみに絞られている事が多いです。ややこしくしてトラブると電話応対などの人件費がかかりますからね…。しかも日本全国の人を相手にするワケですから。
今回解説したこと総まとめ
今回解説したことを纏めてみました。
・代理店を運営する会社はお金儲けしないと会社が潰れる
・代理店は顧客の”契約成立”による報酬でご飯を食っている
・ネット代理店は経費も安く、全国が対象で薄利多売ができる
・圧倒的に利益を得やすいため、ユーザーに還元できる
・「ネットはめんどくさい」と思われがちなので、CBで興味を引く
というカラクリでした。”会社の儲けの事情”が複雑に入り組んでおり、なんだか「見たら悲しくなる大人の世界」を見せてしまった気持ちになりますが…。
どのキャリアでもルールは違えど、報酬などが設定されているのは同じです。そして、その報酬を支払っている源は我々契約者です。私達の通信量が結果的に代理店の報酬、キャリアの利益となるわけです。
なんとかシステム自体を変えて欲しいものですが、複雑な社会情勢は直ぐには変わらないので、少しでも利益を還元してくれるところで契約しましょう。
”儲けのカラクリ”を知っているといないとではえらい違いです。今一度考えてみてください。最後までありがとうございました。
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