曲がる・折りたたみ可能なディスプレイまとめ|現代のスマホ技術革新

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スマートフォン

近年、スマホ向けの小型ディスプレイの進化は凄まじいものがあります。自発光型のディスプレイである、有機ELも市場に浸透してきましたし、丸い液晶や、曲がるディスプレイも登場する時代になりました。

折りたたみ(折り曲げ)可能なディスプレイは以前から存在しましたが、実用には程遠いものでした。しかし、最近はその開発が加速しつつあり、一般に浸透させることを目的としたプロジェクトも進行しているようです。

今回は、そんな最新技術によって実用的になりつつある折り曲げ可能ディスプレイの紹介です。

Samsungの折り曲げ可能ディスプレイ

折り曲げ可能なディスプレイをはじめに世界に向けて発表したのは、サムスンではないでしょうか。2013年のCES2013にて「Youm」と呼ばれる曲がる有機ELディスプレイを披露したのは今でも覚えています。

折りたためて、広げてタブレットのように操作できる」そんなムービーが流されていました。1本のペンぐらいに丸められた物体を取り出し、くるくると広げていくとタブレットに早変わりするのです。

当時は衝撃を受けたデザインでしたが、発売やスマホに実装される話はありませんでした。その後も数年音沙汰がなく、のちにサムスンが特許を取得したのは2015年のことになります。

更にその翌年、「2017年に折り曲げ可能ディスプレイ搭載スマホが発表される」、との情報が流れましたが、現在も発表はされておらず、なかなか製品化の実現は難しいようです。

しかし、革新的な商品である「折りたたみスマホ」をはじめて世界に拡散したのはサムスン電子だと思います。筆者はこの長年続けている研究の成果に非常に期待しています。製品化があれば、ぜひレビューしてみたいものです。

Lenovoの曲がるノートPC、腕に巻き付けるスマホ

世界的な電子機器メーカーのレノボもLenovo Tech World 2016にて折りたためるタブレットやブレスレットのように曲げて腕に巻きつけられるスマートフォンを発表しています。こちらは会場に実際に展示されていたようです。

タブレットは、普段は広げて使える大画面端末として、電話等が買ってきた場合は山折りに半分に畳んで片手で持てるサイズにして通話する、といった使いわけができるようにデザインされており、実際にお姉さんがデモで使用していました。

ブレスレットスマホのほうは、腕に押し当てると、パチンとひっくり返ってジャストフィットで止まるようなイメージでした。最近は同様の仕組みで腕に巻き付けるメモもあるようなので、もしかしたら流行るかもしれません。

更に、レノボの曲がる電子機器開発は現在でも続けられており、2017年6月のニューヨークイベント「lenovoTranceform」でも折りたためて、曲げることができるディスプレイを搭載したノートPCが発表されており、注目を集めました。

このノートPCにはヒンジ部がなく、代わりにディスプレイが下部まで伸びており、ぐにゃりとカーブを描いています。このデザインはなかなか奇抜、奇妙であり、ガジェオタ心をくすぐります。しかしやはり問題は耐久性であり、製品化への道のりは険しそうです。

ジャパンディスプレイの曲がる液晶ディスプレイ

2017年の1月25日、ジャパンディスプレイは主にスマートフォン向けのフレキシブルディスプレイである「FULLACTIVEFLEX」を発表しました。このディスプレイの最大の特徴は『有機ELではなく液晶である』ということです。

自発光形式で素材自体もブラスチックのようなものでる有機ELが曲がるようになるのはまだ分かりますが、液晶画面を折り曲げ可能にする技術力は純粋に素晴らしいです。ジャパンディスプレイ社の努力を感じる一品です。

しかし、同社は現在赤字続きの経営状況であり、今後の動きが注目される状態でもあります。今回の「FULLACTIVEFLEX」の開発も、あと半年早くAppleに売り込んでいれば組み込み製品化に成功したかもしれない、と述べられています。

ジャパンディスプレイは主にディスプレイをメインに開発してきた、日本の大手メーカー(ソニー、東芝、日立のディスプレイ部門が2012年に統合した会社)ですので、今後も是非頑張って欲しいところです。

近年は有機ELディスプレイの開発にも力を入れているらしく、18年~19年には生産体制が整うとのことのですので、今後の動きに期待しましょう。

参考:日経トレンディ ※ページが削除されたようです。

LGの世界最大サイズ、曲がる77インチディスプレイ

LGディスプレイは、2017年6月に、77インチの4k解像度で折り曲げることができるディスプレイを発表しました。素材は有機ELとなっており、光が40%透過するという特徴を備えています。まさかの透明なディスプレイです。

ディプレイ本体は、映像を保持したままで半径8cmまで丸めることができ、柔軟性をアピールしています。同社は2015年にも透過型ディスプレイを発表していましたので、その応用ということでしょうか。

主な使用例、採用例としては一体型デスクや広報用ディスプレイに、とのことです。駅のホームなどにある円型の柱などに巻きつけるといった用途が考えられます。想像しただけでワクワクしますね。

また、現在のLGのディスプレイラインナップは非常に幅広く、世界最大の77インチ有機ELディスプレイなどが注目されています。元々、有機ELディスプレイは大型化の難しい素材ですので、このサイズの実現は本当に凄い。こちらは実際に販売されており、日本でも入手可能です。

Appleが推し進める折り曲げ可能ディスプレイ

2017年10月の速報ですが、アップル社はLG電子とタッグを組んで、時期iPhone用に折りたためるディスプレイの開発を進めているとのことです。こちらは開発が開始されたとのことであり、また製品が発表されたわけではありません。

アップル社は長年搭載を続けてきた液晶ディスプレイを、iPhoneXで有機ELに変える決断をしたことでも注目を集めました。今回の曲がるディスプレイも有機ELであることが予想されますので、本格的に有機EL方面への舵を切ろうとしていると言えるでしょう。

LGは過去に折りたためるディスプレイを発表している経歴がありますので、この技術力に期待です。将来的には、iPhoneに曲がるディスプレイが搭載される日が来るかもしれません。

総評 今後の動向は?

如何だったでしょうか。一重に曲がるディスプレイと言えども、有機ELの方面から開発するメーカー、液晶を曲がるように工夫したメーカーなど様々な開発アプローチがあります。

サイズのバリエーションも広く、スマホ向けのものから、77インチの大型ディスプレイまで様々な開発が続けられており、中にはディスプレイの表示部分が透過するものまで登場しています。

問題点としては、やはりディスプレイ以外の部品が曲がらないことによる弊害でしょうか。バッテリーや基盤関係が邪魔なせいで曲がるスマホが作れない、という問題があると思います。しかしこれ関しては、部品を上下部に集中させる、といった対処で解決可能だと筆者は考えています。

2017年10月現在では、まだ実際に発売される見込みはありませんが、展示会などで曲がるディスプレイが展示される機会が増えてきたのも事実です。開発を進めているメーカーもまだまだ多いので、いずれは何らかの形で見かける機会が出てくるでしょう。今後に期待です。

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