Xiaomi(正確には出資会社であるHuami)から発売されている新作スマートウォッチである『amazfit stratos』を輸入しましたので、そのレビューです。発売当初からどーしても欲しくて…、ついに買ってしまった。GEARBESTで1.8万円ほど。
”驚異のバッテリー持ち”や”Xiaomiらしい秀逸なデザイン”などで人気となっている本端末ですが、その実力はどうなのでしょうか。早速実機を弄り倒してみました。
なお、こちらのAmazfit StratosはGEARBESTなど輸入系サイトでは『Amazfit Smartwatch 2』などの表記で販売されています。Chinese版とEnglish版があるので選ぶ際には注意です。
Amazfit Stratosの詳細スペック
Amazfit Stratos Smartwatchのスペック比較表
Pace | Stratos | |
---|---|---|
画面 | 1.34インチ ゴリラガラス | 1.34インチ ゴリラガラス |
解像度 | 320×300 反射型液晶 | 320×300 反射型液晶 |
CPU | 1.2Ghz 2コア | 1.2Ghz 2コア |
メモリ | 512MB | 512MB |
容量 | 4GB | 4GB |
GPS | 内蔵 | 内蔵 |
Wifi | IEEE 802.11b/g 2.4GHz | IEEE 802.11b/g 2.4GHz |
Bluetooth | 4.0 | 4.0 |
バッテリー | 290mAh | 290mAh |
防水 | IP67程度 | 5ATM 50m防水 |
重量 | 53.7g | 約57g |
バンド幅 | 22mm | 22mm |
素材 | 強化ポリカーボネート ジルコニアセラミック |
セラミック・ステンレス 強化ポリカーボネート |
充電方式 | マグネット式 | マグネット式 |
搭載OS | 独自OS Android iOS対応 | 独自OS Android iOS対応 |
価格 | 1.1万円程度 | 1.8万円程度 |
上記がAmazfitシリーズの旧世代と比較したスペック表となります。基本的にはPaceと中身は同じと思って良いです。外見や防水性能が違う上位機種のような位置づけ。
Paceより圧倒的にデザインがお洒落になりましたが、値段もアップしています。その他素材に変更があった模様。バンド幅は据え置きの22mmです。
反射型ディスプレイも他のスマートウォッチにはない非常に面白いポイント。ゲームボーイアドバンスのように太陽下で見やすくなる特殊な仕様です。
OSは華米独自のOSを搭載していますが、ウォッチフェイスもダウンロードして変えられるし、1から自分で作れるし、通知も自由に受け取れるので自由度はかなり高いです。この点は別の項にて解説します。
本体の外見編:めっちゃかっこええで…
いい感じのパッケージで到着した”Amazfit Stratos”。なんともオシャレな梱包で厳重に箱詰めされています。ボディカラーは黒一色しか販売されていませんでした。
写真で見るとメッチャリアルなフェイスですが、まだフェイクの保護シールを剥がしていない状態です…。この時点で既にカッコイイんだよね…。7000円プラスしてStratosのほうを買う意味はここにあります。
本体の下には専用充電器や説明書などが付属。今回買ったのはEnglish版ですので説明書も英語です。充電台はPCとの通信機の役割も果たすので無くさないように注意です。
後述しますが、充電器ははめ込みにコツが入ります。ケーブルもメッチャほっそいので耐久性に不安が残ります。
こちらが箱から取り出した本体。Paceと違いカジュアル路線で作られたデザインは、普段遣いしても全然違和感がない。非常に良く出来たデザインです。
1週間ほど付けて生活していますが、違和感が無さすぎるせいか「それ、もしかしてスマートウォッチ??」と聞かれる機会が無くなってしまいました…笑。moto360付けてた時は結構聞かれたんですけどね。
サイドには3つのボタンが配置されています。バランスが良くてカッコイイ。基本的にAndroid Wear系のスマートウォッチはシンプルなボタンが一つだけ、というタイプが多く、デザインの面で寂しいものがありました。
このボタンは戻る、進む、決定などの役割を持っており、手が濡れている時などでも操作できるように機能が工夫されています。3つのボタンだけでも大抵の操作は可能です。
裏面にはマグネット充電の端子や心拍数を測るモジュールが配置されています。辺に出っ張っている部分も無く、付けていて違和感は無いです。つや消しマットでシンプルなデザイン。
一応、時計らしく防水表記なども書いてあるようです。5ATMの表記がバッチリ確認できました。
バンドは標準の腕時計用22mmバンドに交換可能です。私はすぐにメタルバンドに交換しました。基本的には22mmであればどのタイプでもハマると思います。
※Amazonなどで『AmazfitStratos バンド』などで検索すると、”専用バンド”と表記のあるお高いものがヒットしますが、汎用バンドで十分ですのでご注意を…。たぶん送られていくるものも”専用”では無いはずです。
反射型ディスプレイはマジで使い勝手が良い
「なんだその謎の技術は??」と筆者もはじめは思いましたが、ゲームボーイアドバンスにも採用されている古くからある技術です。外光をバックライド代わりに利用することができる仕組みのようです。
これがマジで見やすい。普通に室内でも問題なく見れるし、太陽下であればメッチャ綺麗に見ることができる。どちらかというとディスプレイを見ている感覚ではなく、アナログなものを見ているような不思議な感覚。
さすがに暗い場面では全然見えないので、そんな時用にバックライトも搭載されています。”ゲームボーイアドバンスSP”などを想像していただければ分かるかと思いますが、若干白っぽくなります。
こちらは腕の向きや光センサーで察知してオートで点灯するので特に設定は不要。反射の外光と合わせて使用することで暗がりなタイミングもカバーできます。もちろんOFFにすることもできます。
ディスプレイ自体も非常に美しい。ドット数は320×300と必要十分なレベル。なお、普段は省エネモード表示されているので、かなり表示が荒くなります。解像度が悪化すると言うよりは、色深度をめちゃくちゃ落としているような感覚。
そのため、省エネモードでも対して変わらない表示を維持するウォッチフェイスと激変するウォッチフェイスの差が激しいです。細かい色使いをしている背景などは結構汚くなります。
また、サイドの黒ベゼル部分(ディスプレイ表示されない黒面)が購入前は「非表示領域多いなぁ、ダサいなぁ」と感じていたのですが、実際触ってみるとそうでもない。
写真で見るより全然悪くないです。確かにmoto360などと比べると黒フチがあるのは不満ですが、許容範囲内です。カッコよさはしっかり維持している印象です。
ディスプレイに採用されているゴリラガラスは”曲面”です。ほんの少し、中央に向かってラウンド加工されています。真っ平らではありません。その影響もあってか、実物はかなり高級感があります。
バッテリーは4日持つ!が聞いていたよりは持たないかも…
バッテリー持ちは他のAndroid Wear系スマートウォッチと比べると劇的に良いです。むしろコレ以上持つスマートウォッチは探してもなかなか見つからないぐらい。
しかし、他のレビュワー様などが絶賛しているような『11日持つ』とか『GPS入れても5日持つ』とかは少々言いすぎな気がします。
筆者環境では”画面常にON・ウェイクアップタッチON”の状態で日常利用してテスト。3日目が終わる時点で残30%程度。100時間程度経過した時点でバッテリーがゼロになりました。
タッチをオフにしたり、ストップウォッチ機能を使わなかったり、無駄に起動して天気チェックしたりしなければ、もう少し伸びるのかもしれませんが…。日常的に使う用途では4日が限度ではないかと。
それでも、通知を自由に確認できたり、ウェアラブルなモードもバッチリ搭載してたり、ウォッチフェイスを自由に作れる&常時表示で4日持つというのは他にありません。ダントツで優秀なスタミナであることには変わりないでしょう。
「スマートウォッチの機能はめっちゃ欲しいけど、毎日の充電が面倒…」そんなユーザーにぜひお勧めしたい。個人的には”2泊3日程度の旅行で充電器不要”というところが有り難い。充電器持っていくの面倒じゃないですか。
また、充電台は専用のものを使わないといけないのですが、これが絶妙に使いづらい。ポン、と置くだけではなく、カチッとはめ込まないといけないのです。しかもめっちゃ固い…。
最初は力加減が分からなくて恐る恐るはめ込みました…。結構押し込んでください。しかし、これを毎回するのはちょっとストレスです。
重さはそれなり、本体は見た目より薄い
重さは約57gとさすがにTicWatchEと比べると重いですが、付けていてストレスを感じる重さではありません。平均ぐらいではないでしょうか。筆者はこれに+メタルバンドで普段遣いしています。重いとは感じませんよ。
とにかく軽いスマートウォッチが欲しい!と言われるとお勧めできませんが…。moto360程度が問題なく付けられるのであれば不満は感じないでしょう。
そして、公式にも乗ってなかった”本体の厚み”ですが、予想していたよりも薄い。TicWatchEが13.55mmですが、これと同じがほんのり薄いぐらい。13.5mm~13mmぐらいでしょうか。
GEARBESTには厚さ15mmとかメチャクチャなことが書いてありますが、信用しないように。笑 非常につけやすく、丁度よい厚さです。体感はmoto360と近いかも。
全体的な素材の高級感&フェイス大きさもあってか、サイズ感の不満は全く無いです。(女性にはちょっとデカイかも…)
華米の独自OSはレスポンスも良く、使いやすいぞ!
今回のAmazfitはHuamiの独自OSが搭載されているワケですが、これがなかなか使いやすい。レスポンスはキビキビサクサクだし、機能も満載。ストレージにアクセスだってできる。一通り触ってみたので、纏めてみました。
※日本語には対応していないので、表示はオール英語です。しかし通知はしっかり日本語で来るので問題なし。難しい単語などは今のところ無さそうです。
初期設定はQRを読み込むだけ
初期設定はめっちゃ簡単。起動したら表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むだけ…!スマートフォン側で公式アプリをダウンロードして起動すれば、QRコードを読み込むように指示があります。
ホントにそれだけ。ペアリングも一瞬で終わるし、特に設定することはないです。このとっつきやすさも魅力ですね。(筆者環境はAndroidです。iOSにも対応しているということですが、未検証。公式アプリはストアで確認できました。)
多彩な搭載アプリ一覧
Amazfitはアプリも豊富。アラーム、コンパス、ストップウォッチなどの基本的な機能はもちろん搭載しています。使い勝手も悪くなく、必要十分といった感じ。ストップウォッチは手軽に起動できるのでよく使います。
コンパスが意外に正確なのも面白い。使う機会は少ないですが、いざという時に役立つ優秀なシステムです。
週間天気予報もよく使う機能。一週間の天気、温度が一発で確認できます。あくまで目安程度ですが、ちょっとした会話の流れで天気がスグ確認できるのは便利ですね。
他にも心拍数測定、運動モードなどが搭載されています。運動モードはGPSで距離などを測定しながら心拍数、タイムなどを同時に計測するフルモード。スキー、ランニング、水泳、サイクリングなど様々なモードから最適な計測手段を選択できます。
スリープモードでは、睡眠時に装着しておくことで熟睡できているかをグラフで記録してくれます。眠れていない時間帯などがひと目で分かるので便利です。
音楽鑑賞モードという謎の機能も搭載。スマートウォッチのストレージ内に音楽ファイルを保存しておくことで、Bluetoothペアリングしたイヤホンに音を送信できるようです。スマホが無くても音楽が聞けるということですね。
通知は受け取る前に設定を変える必要がある
通知は初期状態では電話やSMSなどの通知に限定されており、LINEが来ても反応してくれません。アプリ側の設定で通知対象に入れるアプリを指定してあげる必要があります。
Profile→settings→Notificationsから通知設定を変更できます。通知して欲しいアプリを全部オンにしておきましょう。他にも、スマホ起動時は通知をオフにする設定などもあり、細かく設定できるので便利です。
しかし、通知に関しては一つ残念な点が…。通知が来た段階でははっきりと文章まで確認できるのですが、普段の表示モードでは「前の通知あるよ!」という表示をしてくれないのです。
もちろん起動してスワイプすれば見れるし、スマホ側で消すと連動して消えるし、必要十分なのですが…。ふとした時に時計を見た際「アレっ、気づかなかったけど通知あるな」という確認ができないのはマイナスポイントです。
振動の強さは変更可能!細かい配慮がありがたい
振動の強さは3段階で変更可能です。強にすれば机に置いていてもまぁまぁ激しく揺れるので分かりやすいです。むしろスマホの振動よりうるさい…。この辺りの設定がしっかり用意されているのはGOODです。
その他バックライト設定やセンサー設定、サイレントモード、機内モードなどが搭載されておりとても使いやすいです。時間指定でバックライトをオンにしたりもできます。
初期設定では、長い時間座っていると「そろそろ立とうぜ!」と通知で知らせてくるお節介モードがONになっているので、要らなかったら切りましょう。笑
ウォッチフェイスは驚異の2万種類超え!自作も可能
AmazfitのウォッチフェイスはPace、Stratos共通でwfzというファイル形式でダウンロードできます。このウォッチフェイスの公開されている数が非常に多いのです。内臓は14種ですが、ユーザークリエイトの野良ウォッチフェイスを含めると、実に2万種類以上あります。
ファンサイトからダウンロードできる
『Simple Amazfit Watchface Builder』というサイトから膨大な数のウォッチフェイスがダウンロード可能。確認した時点では20688種類がアップロードされているようです。
ダウンロードも非常に簡単で、一覧表示の中からダウンロードボタンをクリックするだけ。直ぐにwfzファイルが手に入ります。これを本体フォルダに入れるだけ。
ダウンロードしたファイルはスマートウォッチ内に入れる必要があります。本体とPCを充電アダプタ経由で繋ぐとストレージにアクセスできるので、中の『watchface』フォルダを探しましょう。このフォルダにwfzを入れるだけです。
後は本体やアプリ側でウォッチフェイス一覧を覗くと追加されています。好きなものに変更しましょう。導入はPCこそ必要ですがかなり簡単です。
自分でも作れる!オンラインで簡単作成
この、Simple Amazfit Watchface Builderは”ビルダー”と名がついているだけあって自分でウォッチフェイスを作ることができます。多彩なテンプレートを選んでいくだけで作ることができるし、自分で背景、針をアップロードして設定することもできます。
基本的にオンラインでできるのでインストール不要。先程紹介した2万種類のウォッチフェイスもコレを使って作られているようです。どのような物ができるのか確認してみると良いでしょう。
総評:ほぼ弱点無しの最強スマートウォッチだ!!
如何だったでしょうか。個人的には嫌なところが全然見つからない素晴らしいスマートウォッチでしたが、冷静に考えて良い点悪い点を纏めてみました。
・2万種を超えるウォッチフェイス
・反射型ディスプレイがGOOD、見た目もメッチャカッコいい
・豊富な機能、細かい設定、日本語通知
・ハイエンド系ではトップクラスのバッテリー持ち
・1.8万円とAndroidWear系スマートウォッチより安めの価格帯
■Amazfit Stratosの悪い点
・非操作時の省エネモードの色深度が低い。Win95時代を思い出す
・過去の通知があることに気付きにくい
といった形になります。良いところがありすぎて満足度は100%です。省エネ時の色深度や過去の通知などは一応挙げたものの、この工夫によってバッテリー持ちが大幅に良い機種となっていることは事実です。
TicWatchなどはデフォルトフェイスでは48時間程度持ったものの、watchMakerなどを使ったオリジナルフェイスでは17時間ほどしか持ちませんでした。その点、この端末はウォッチフェイスを選ばないバッテリー持ちが非常に魅力的です。どのフェイスでもほぼ変化なしです。
自信を持ってお勧めできる機種です。しかし、省エネ時の画質劣化がどうしても気になるという人はいるかも知れません。劣化しないウォッチフェイスを選ぶことで解決できる問題ではあるのですが…。
Amazfit StratosはGEARBEST、Banggoodなど中国系通販サイトで入手することができます。日本Amazonでも出品されていますが、29000円と少々高いです。
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コメント
お世話になります。
Amazfit Stratosを使い始めておよそ3ヶ月になるのですが、最近気づいたのですが、秒針って通常では見れないのが仕様でしょうか?
それとも僕のウオッチの設定の問題なのでしょうか?
ご教示頂けますと幸いです。
何卒、どうぞよろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。オン時(手首ウェイクアップや操作をしている時)は秒針も表示されたかと思います。
省エネ時は分と時しか表示されない仕様です。以前私が使っていた手首操作オフ状態などでは、ボタンを押さない限り省エネモードになるので常に秒針は表示されないようになりますね。