昨年の記事「曲がる・折りたたみ可能なディスプレイまとめ」でも解説したように、近々曲がるディスプレイを持った端末が発売されると予測していましたが、ついに発売が決まった(注文開始?)ようです。
昨年の段階ではSamsungやLG、Lenovoなどを可能性のあるメーカーとして挙げていましたが、全てハズレ。中国のメーカーであるRoyole(柔宇科技)からFlexPaiという機種名で発表されることとなりました。Royoleは2012年に設立された新しいメーカーです。
FlexPaiのスペック速報
Royole FlexPai 詳細スペック情報
Royole FlexPai | |
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画面 | 1920×1440 7.8インチ Flexible AMOLED 308 PPI |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 series SoC 2.8Ghz Octa-Core |
メモリ | 6GBor8GB |
容量 | 128 GB/256 GB/512 GB MicroSD対応(最大256GB) |
カメラ | 16 MP+20 MP f/1.8 |
無線 | Bluetooth5.1 WiFi2.4/5 |
サイズ | 134×190.35×7.6mm 320g |
SIM | Nanosim対応 Dual対応 |
バッテリ | リチウムポリマー 3800 mAh 5V/5A |
OS | オリジナル WaterOS Android9ベース |
その他 | 指紋認証 Type-c |
値段 | 15万円程度 |
参考:http://www.royole.com/flexpai-specs
上記が発表されたスペックです。SnapDragonのモデル名がはっきり明記されていないのが気になりますが…。リーク情報ではQualcommの新作SocであるSnapdragon8150が搭載されるとのこと。
画面はフルHDを4:3にした程度の普通の解像度。しかし中央部分をフレキシブルに曲げることが可能です。材質は勿論有機ELです。
メモリ、ストレージは現行のハイスペックモデルと変わらない十分な量が確保されています。更にMicroSDを挿すことも可能であり、柔軟性もバッチリです。
その他基本的なスマホの機能は一通り搭載されている印象。サイズ感も良く、厚みが意外と薄く7.6mmに抑えられています。そのせいかバッテリー容量が3800mAhと7.8インチのデバイスとしては少々物足りない印象。一日使用はキツそうです。
なお、公式サイトでは11月1日から注文受付が始まっているようです。お値段は15万円ほど。やっぱり技術的にこれぐらいの値段はしますね。
最大のポイントは画面を”曲げられる”こと
FlexPaiの最大の特徴は「曲げられる、折り畳める」ということです。7.8インチのタブレットサイズのディスプレイのど真ん中を畳むことが可能。素晴らしく面白い機能です。逆に言うとそれ以外はパッとしません。
折畳可動部は画面中央部にあり、折り曲げることによってコの字のような折畳を可能にしています。しかし、耐久面はあまり良くないようです。実機では折畳の後である「シワ」が発生するのだとか。
また、折り畳んだ際に発生する側面の部分に関しても390×1440のディスプレイとして利用できるようにしてあるそうです。面白いけど持ち方が難しくなりそう…笑
折り畳んだ際の表面は810×1440ドット、裏面が720×1440ドットになるそうです。全画面表示のアプリ、ゲーム類は片面に調整されて表示されるようになっており、OS面の洗練を感じます。このような挙動をする必要があるため、オリジナルOSが採用されていると考えられます。
世界初の一般発売が開始される折畳端末となりますが、ユーザーの評価、感想としてはイマイチな様子。何せ最低15万円する端末ですからね…。試験投下的な要素のほうが強いのでしょう。
Royoleは他の製品もかなり未来的
Royole(柔宇科技)は中国深センのフレキシブルディスプレイメーカーのようですが、会社情報を調べるとアメリカ、ヨーロッパが出てきます。支社があるということでしょうか。なお、メーカーページのroyole.comも英語で構成されています。
2012年に設立、主力製品としては、Tシャツやシルクハットに埋め込み可能な歪曲ディスプレイ、紙のようにかけるデジタルノートなどが挙げられます。
中でも非常に柔らかく仕上がっているフレキシブルディスプレイは圧巻。帽子やTシャツ上で動いているデモはインパクト抜群です。同社の挑戦的な商品開発が感じられます。
また、高品質ヘッドホン付きのHMDも開発しているようであり、VRでは無いものの、全面を覆うような感覚で映画やアニメを楽しむことができるようです。
全体的に未来的なガジェットを発表しているメーカーですね。今までの製品も非常に目を引くモノばかりであり、今後の動向に期待が集まります。
総評:今回は”試験導入”的な側面がやや強いか
今回は世界初登場の折りたたみ可能ディスプレイを搭載した端末を取り上げました。まさかの新興中国系メーカーからの発表となりましたが、デモ機を触ったユーザーの感想としては完成度は低めのようです。特にディスプレイ残るシワが気になる、という意見が多い模様。
とりあえず「世界最速のフレキシブルディスプレイ」を販売したかったという意向を感じます。Samsungも2018年、2019年辺りにフレキシブルなディスプレイを搭載した端末を発表するというリークが流れていますが、完全に先を越された形になりますね。
曲がるディスプレイ自体は20万回の耐久テスト済みとのことですが、「シワ含めて」ということでしょうか。動作、表示そのものは耐久性があるが、表面の痛みは発生すると考えたほうがよさそうです。
現状のFlexPaiは「初号機」というイメージが強いです。これから発表されるフレキシブル端末はシワ問題や耐久問題が解決される可能性がありそうです。色んな意味で挑戦的な初端末となりそうです。
さすがに15万円する”テスト端末”を購入する気にはなりませんが…。実機を所持している(これから買う)方には、ぜひ触らせていただきたいものです。
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