Kickstarterで定期的にスマートウォッチの支援を募集しているMobvoiの新作スマートウォッチである『Ticwatch E(S&E)』を入手、しばらく使用してみたのでそのレビューです。
『超軽量』『低消費電力(48時間駆動)』『激安なのにwear2.0搭載』など非常に魅力的な仕様であることが特徴のスマートウォッチですが、果たして実働性能はどうなのでしょうか。色々と試してみました。
Ticwatch Eのスペック表
有名なスマートウォッチと比較したスペック詳細表
Ticwatch E | moto360 | ZenWatch 3 | |
---|---|---|---|
サイズ | 44×13.5 41.5g | 46×11.5 60g | 45×10.7 48g |
画面 | 1.40インチ | 1.56インチ | 1.39インチ |
解像度 | 400×400 | 320×290 | 400×400 |
CPU | MT2601 | TI OMAP 3 | スナドラ2100 |
CPU性能 | 1.2GHz 2core | 1GHz 1core | 1.2GHz 4core |
メモリ | 512MB | 512MB | 512MB |
ROM | 4GB | 4GB | 4GB |
バッテリー | 300mAh | 320mAh | 340mAh |
Bluetooth | 4.1対応 | 4.0対応 | 4.1対応 |
充電方式 | マグネット | Qi | マグネット |
防水性能 | IP67 | IP67 | IP67 |
搭載OS | wear2.0 | wear1.0 | wear2.0 |
以上が比較表となります。サイズは3種中最小、重さも最軽量ですが厚みはあります。ここはちょっと残念な部分。画面解像度は3万円ちょいするZenWatch3となら並ぶ優秀な性能。1.5万円で買える格安帯では十分すぎるスペックです。
CPUはMediaTek社のMT2601と比較的新しい物を搭載。スナドラ社のwear2100には処理性能面で劣りますが省電力性能が非常に優れている優秀な製品です。こちらも高評価。バッテリーも最小容量ですが問題ないでしょう。
その他、最新OSのwear2.0に対応、マグネット充電、防水、Bluetooth4.1と必要な性能はしっかり搭載されている印象です。これだけ揃っていればハイクラスのスマートウォッチとも十分戦えるでしょう。
※近年の中華格安スマートウォッチは”AndroidOSをそのまま搭載している”パターンが非常に多く、動作の不安定性や、数時間しか持たないバッテリー性能などが課題となっております。その点1.5万円という低価格でwear2.0を搭載している点は評価できます。
外見デザイン 遊び心溢れるド派手なパッケージ
それでは外見のレビューから行きましょう。某スプ◯トゥーンのようなド派手なパッケージにて到着。Amazonのダンボールを開けた瞬間「あれ?デパ地下でクッキー買ったっけ?」と思わせる入れ物に驚愕します。
素材としてはお菓子の入れ物のような感じ。関西弁で言う『カンカン』ですね。近年のスマートな製品のパッケージは非常にシンプルでシックな物が多いので逆に好印象です。
中身はこんな感じ。シンプルに纏まった内装にTicwatch Eが鎮座しています。キツキツに梱包材が入っているので取り出すのはちょっと難しいです。ベルト内側(腕の部分)にも硬めのクッションが入れてあり、海外輸出することを前提としたような作りです。
本体自体はシリコン素材のバンドということもあって全体的につや消し系のマットなデザイン。素材はプラスチック系です。moto360とは違いビジネスマンっぽくはないです。スポーツ系用途のほうが似合うかも?
ボタンはシンプルに1個のみ。こちらもmoto360とは異なり逆方向に設置されています。(左手に付けたら左側にボタン)通常のデジタル時計にしろスマートウォッチにしろ、ボタン類は右側のほうが多いので結構珍しい配置です。(写真は逆さ向いてます、スイマセン・・)
私的には右手で触った時に親指で押せるので便利だなと感じています。サイズ感も丁度よい感じ。女性物としては大きいですが、男性が装着する腕時計としては違和感ない大きさです。moto360と比べると「ちょっと小さくなったかな?」ぐらいの大きさ。
ベルトは20mm 一般の物と交換可能だぞ!
ベルトも一般的なシリコンベルトといった印象。か日本で売られているオーソドックスなベルトと同じ長さです。逆に言うと「腕がチョー太い。海外製の長いの探している」と言った場合は合わないかも。あと『Ticwatch』のロゴがカッチョイイ。
シリコーンバンドというのを日常で装着したのははじめてなのですが、なかなか使い心地が良い。手首は楽だし、軽いし、ノートPCの角にバンドが当たってガリガリ削れることもない。利点は多いです。
また、裏側に取り外し用のフックが付けられておりワンタッチで取り外すことが可能。素人でも3秒で外せます。これはmoto360には無かった素晴らしい仕組み。セルフなベルト交換を前提に作られています。
取り外した際の穴はこんな感じ。特に特殊な構造でもなく一般的なバネが装着できます。20mmタイプのバネとバンドがあれば自由に交換できる模様。カスタマイズの夢が広がりますね。つや消しBlackメタルバンドとか合うかも。
2/24日追記:つや消しのメタルバンド(ブラック)に交換しました!お値段1600円ほど。
重厚感がかなり増したイメージ。本体がマットなデザインですので、それに合うようにつや消し(サテン)タイプをチョイス。予想以上にしっくりハマりました。気に入っているので暫くはこれでいこうと思います。
重さはめちゃくちゃ軽い、なんだこれ
今までmoto360&メタルバンドを普段使いしていたからか、笑えるレベルで軽いです。激軽。「付けていることを忘れる」というのはこういうことを言うのか・・・と。マジでそれぐらい軽い。(前機との差が凄いので・・)
プラスチック+シリコンバンドは見た目こそスーツなどには似合わないですが、この軽さを知ると元には戻れない感じ。言い方は悪いですが、『100均のデジタルウォッチを付けている重さ』に近い。
常にパソコンと向き合うような仕事をしている人は、仕事中に時計を外す人も多いのではないでしょうか。実のところ私も装着ながらキーボードを叩いていると手首を悪くするので、今までは外していました。
しかしこのTicwatch Eの軽さ、そのままキーボード叩いても問題ないレベルです。まだ数日なので長期的な結果が確認できていませんが、今のところ大丈夫そうです。
有機ELの美しさはピカイチ moto360より圧倒的に綺麗
moto360の解像度は320×290であり、今回のTicwatchEは400×400なので当たり前と言えば当たり前なのですが、非常に画面が美しいです。motoにあった画面下の黒枠も無く、スッキリした丸型モニターは好印象です。
秒針のジャギー感などもかなり改善されているイメージ。普通に写真を撮影したら「コラ画像かな?」と感じてしまうような美しさです。このぐらい解像度があれば文句ないですね。私的にはこれ以上の解像度はいらないと感じました。
※同解像度のスマートウォッチとしては、ASUS社のZenWatch3などが挙げられます。画面サイズもほぼ同じですので、実際に解像度を確認してみたい場合は参考にすると良いでしょう。
【最重要】バッテリー持ちの話!2日持つぞ…!こいつ…!
さて、私が最も重要視している部分『バッテリー持ち』の話です。スマートフォンでもそうですが、私にとってこの項目は最重要分野です。どれだけ持つのか。スマートウォッチは充電装置を持ち歩くこともありませんので、余計に重要です。
MT2601という低消費電力CPUを搭載し、公表値で2日は持つと言われているTicwatchEですが、果たしてどうなのか。とりあえず、『朝9時に充電から外して装着→夜7時に帰宅』、残バッテリーを確認した時の結果がこちら。↓
「やべぇ…。32%しか減ってねぇよ・・・。なんだよこれ・・・・。」
素晴らしくロングライフなスマートウォッチです。買った直後ということもあり、結構暇がある度にあれやこれやと弄っていたのですが、それでもこのバッテリー残量。10時間(色々触って)で3分の1消費です。
触っていても30時間は持つ計算。これが、『時間確認』『LINE確認→返信』『通知確認』のみの使用に絞られるとしたら、公表値通り48時間持ってもおかしくないデータです。素晴らしい。
使い方やウォッチフェイス、設定によって個人差はあると思いますが、今までのどのスマートウォッチよりもロングライフなのではないか?と感じてしまうほど優秀なバッテリー持ちだと感じました。ちなみに今回私が運用した設定は以下の通りです。
・ウォッチフェイスはデフォルトで入っているものを使用
・Wi-Fiは未接続
※『画面を常に表示したらどうなるか?』や『1時間ごとの残量グラフ表示』など今後実験次第、追記していきたいと思います。
追記:『常に画面ON』のまま使用していると、12時間~13時間あたりで電源がオフになっていました。更に、TicWatch純正のWatchfaceだと+5時間ほど持つ印象。どうやらプリセットで入っているウォッチフェイスは電源管理が最適化されているようです。
充電装置はマグネット装着、マニュアルは日本語対応
充電方法としては、マグネット充電方式が採用されており、ケーブル先が本体裏にピタッとくっつきます。よくあるシステムですね。moto360とは違い、Qiには対応していないようです。
ケーブル先はフルサイズUSBとなっており、USBによる充電に対応しています。残念ながらアダプタは付いておらず自分で用意する必要があります。ダイソーの200円アダプタでも充電可能です。(確認しました。)
マニュアルは日本語に対応。ある程度理解できる翻訳ですので、下手な中華スマホマニュアルより分かりやすいです。はじめから日本販売を視野に入れていたということでしょうか?
こういったタイプの格安ガジェットは日本語解説がないことがほとんどですので、非常にありがたい配慮ですね。
気になる操作レスポンスは
操作関係のレスポンスですが『非常に快適』です。TM2061(省電力モデル)ということもあり、正直心配した部分なのですが、今のところ不満に感じることはありません。
むしろ、moto360より遥かにヌルヌルなので「動作が快適なスマートウォッチを手に入れた」といってもいいレベル。私が愛用している『WatchMaker』のオリジナルウォッチフェイスもサクサク動いてくれます。
「Androidwear2.0は結構動作が重い」と友人(moto360 2nd使い)から聞いていたこともあり、レスポンスに関してはあまり期待していなかった分、喜びが大きいです。
※実機を動かしているレスポンス検証動画は海外レビュワーのKarl氏の動画が分かりやすいです。
Androidwear2.0の真髄、Moto360(1.0)と比較して
私が約2年半お世話になったmoto360はwear1.0でした。2.0アップデートが来ない端末だったので指を加えながら2.0を待っていたわけです。今回のTicwatch Eは待ちに待ったwear2.0対応端末です。早速触ってみた感想、1.0との違いを述べたいと思います。
アプリダウンロードが直接できるように
moto360ではスマートフォン(親機)からインストール→スマートウォッチで起動、とする必要があった『スマートウォッチ用アプリ』ですが、これがウォッチから直接ダウンロード→インストール→起動とできるようになりました。
Ticwatch Eを購入する前は「別にスマホ触ればいいじゃん」と思っていたのですが、実際に使ってみると結構便利。スマホを触らずとも「何か面白いアプリないかなー」と探すことができるのはちょっと楽しい。ウォッチ一つで全て完結できるのは非常にスマートだと感じました。
※ちなみに、アプリは『電源ボタン』で起動するようになりました。(私はしばらく気づきませんでした・・・笑)
日本語入力がマジ便利
以前まではLINEの通知文章を見ることはできても、返信ができませんでした。(絵文字とかは送れる)別にスマートフォンを取り出せば良いわけですが、『了解!』とかだけ返したい場合は「スマートウォッチでもよくね?」と感じていたわけです。
今回のTicwatch E(wear2.0)は、日本語キーボード入力に対応しており、スマホで慣れ親しんだように、フリック入力で返信をすることが可能です。これがかなり便利。時計を触るだけで返信ができるようになりました。
また、定型文の呼び出しにも対応しており、「おっけー!また後で返信する!」など使いやすい文章を予め登録しておけます。これもかなり役立つ機能です。
初回セットアップがチョー簡単
これはびっくりした。moto360の時は、認識しなかったり、セットアップに時間もかかったりで結構苦労したAndroidwearアプリとの連携設定&Bluetooth接続ですが、Ticwatch Eは一発成功。何も悩むこと無く5分程度で終わっちゃいました。
色々と面倒だった設定を一括で自動にしてくれたイメージ。スマートウォッチ本体のWi-Fiも使えるので、困ったらスマートウォッチ自身がネットに接続してセットアップしてくれます。Googleアカウントを紐付けしておくとプレイストアがスムーズに使えます。
まとめ 格安帯では最高峰のAndroidwear
15999円の格安帯スマートウォッチということもあり、ある程度不満があっても妥協するつもりで購入したのですが、マジ不満ないです。凄いよこれ。軽いし、バッテリーも持つし!もちろん防水防塵にも対応している。
Line等通知の表示も全く不便ないし、個別でONOFFできる。wear2.0のおかげで長文表示も可能。返信も日本語フリックで打てる。WiFiに接続していれば本体から離れていても通知受信、操作可能。文句なしです。
基本的にシステム面は一般的なAndroidwear2.0なので、非常に使いやすい。他のオリジナルOSやAndroidをそのまま積んでいる格安スマートウォッチとは違います。技適ももちろん表示。
あえてデメリットを言うならば、”カジュアル過ぎる見た目”のため、スーツなどフォーマルな服装には似合わないかなぁ、というぐらい。
moto360から買い替えてよかったと思える出来です。何より安いのがイイ。メーカーの1年保証が無くなった後に壊れても許せる値段。しかし、今のところ再起動や異常行動も見受けられず、安定した端末だと言えるでしょう。
※現在、日本からの購入はAmazon.co.jpが最もスムーズ&安価なようです。(公式サイトの方が値段が高い。)
スマートウォッチに関連する記事
コメント