世界最速でSnapDragon855を搭載すると言われている『Lenovo Z5 Pro GT』が発表されました。中国国内で1月24日に発売が開始されるようです。
本機は最新のクアルコムSocを搭載、更にノッチもベゼルも無しのフル画面モデルでありながらお値段4万3千円~と意味不明に安すぎるモデルです。詳細を纏めました。
Lenovo Z5 Pro GT スペック情報と比較
ProとGTの仕様比較表
Z5 Pro | Z5 Pro GT | |
---|---|---|
SIM | Dual nano SIM | Dual Nano SIM |
画面 | 6.39インチ 有機EL | 6.39インチ 有機EL |
解像度 | 2340×180 | 2340×1080 |
OS | ZUI10 | ZUI10 |
SoC | SnapDragon710 | SnapDragon855 |
CPU | 8core 最大2.2GHz | 8core 最大2.84GHz |
スコア | Antutu 174000 | Antutu 368779 |
スロット | 無し | 無し |
ストレージ | 64/128/256GB | 128/256/512GB |
メモリ | 6/8GB | 6/8/12GB |
カメラ | 16+24MP 16+8MP | 16+24MP 16+8MP |
無線 | a/b/g/n/ac | a/ b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 |
バッテリー | 3350mAh | 3350mAh |
サイズ | 155x73x9.3 210g | 155x73x9.3 210g |
カラー | Black | Black |
価格(参考) | 約3.3万円~ | 約4.3万円~ |
2018年に発売されたZ5Proと比較してみました。今回のZ5ProGTは前回のZ5Proのマイナーチェンジモデルとなっており、見た目はほとんど同じですが、ほんの少し違うようです。
左がProで右がProGTです。ちょっとだけ違いますね。中国版の公式HPで確認することができます。
仕様もほぼ同じですが、SoCが855へとアップグレードされています。この変更によりAntutuスコアは2倍以上に跳ね上がるようです。まさにモンスタースペック。
iPhoneXSやKirin980をも上回るので、発売されれば現状のスマホ最高峰のスペックとなります。更にメモリを12GB搭載+512GBストレージのスペシャルモデルも販売されるとの報道です。
Proの段階のスペックでもかなり優秀ですが、これに855を載せた上でお値段4.3万円~というから驚き。破格すぎる…。最近はPCも異常に値下げしてるし、Lenovoは何を考えているんだろう。
気になる点はバッテリー容量の少なさでしょうか。6.39インチのモデルとしては控えめな容量です。サイズ感、構造も710モデルと変わらないので排熱などの問題も気になるところです。
SnapDragon855は7nmプロセスでかなり期待できる
今回Z5 Pro GTに初搭載されるSnapDragon855は前回の845と比べて約45%の性能向上、GPUは20%の向上を謳っています。実際に動かしてみないと真意はわかりませんが、製造プロセスが10nm→7nmに下がっていることからかなり期待できると筆者は考えています。
CPUは8コア構成となっており『2.84GHz→1 2.42GHz→3 省電力core→4』と3種類のコアが積まれるようです。普段は省電力4コアで作動させることによってバッテリー持ちを向上させるようです。
また、次世代通信規格5Gに対応するモデムも標準搭載し、のちに訪れるであろう5G時代へと真っ先に適応します。5Gは、理論上4Gの20倍程度の最大速度を出すことができると言われているトンデモ規格です。
もはや汎用ストレージの書き込み速度のほうが足を引っ張りそうで笑えてきますね…。
カメラ処理等、様々な判断を下すイメージングプロセッサ(Spectra 380)もかなり向上しています。これによって風景ごとに即座にカメラモードを切り替えてくれる精度の向上等が期待できます。
更に、4KHDR動画撮影時において、リアルタイムで背景にボケ(ポートレート的な機能)を追加することができ、その手のプロも驚くほどの動画撮影が可能になります。
Z5 Pro GTは”スライド式”スマホ!なんか懐かしい
全画面スマホといえば『OPPO Find X』や『Vivo NEX』などが世界中で最も早く先人を切った形ではないでしょうか。フロントカメラの設置の隙間すら許さない設計の全画面モデルは、カメラの設置場所が課題となります。
OPPOやVIVOは”撮影時に自動で上部からせり出す”仕組みを開発することによってフロントカメラ搭載を実現しました。しかし、スマートフォンとしてはやや特殊な形状のためか、上位モデルではお値段が10万円を超えたりとコスパは悪かったのです。
一方、同じ全画面スマホであるXiaomi Mix3が採用したスライド式では、自動とまではいかないものの手動スライドでディスプレイ部をまるごとずらすことによってカメラを露出させる方式を採用しました。
ケータイ時代のSO系などと同じ仕組みですね。あの頃も本体をスライドさせてボタンを出していました。まさかここにきてあの機構が復活するとは思いませんでした。
カメラ露出を自動ではなく手動スライドにすることにした影響かは定かではありませんが、Mix3は価格約5万円~とかなり安くなっています。
今回のLenovo Z5 Pro GTもスライド式が採用されています。手動でカチャカチャする必要はありますが、お値段は4.3万円~と非常に安い。というか、世界最高位モデルが4万3千円でいいのか…?
GTは間違いなく買い!なモデル
今回発表されたLenovo Z5 Pro GTはどうみても”買い”なモデルです。厚さ9.3mmとスライド式を採用したことによってデカく、太くなっているのは気になりますが、デメリットを遥かに上回る安さです。安かったらなんでも許せる。
本体形状が変化する性質上、カバーが装着できない(上部が切り取られている特殊なものが出たらいける?)のも理解しておく必要があるでしょう。癖のあるモデルであることは間違いないです。
現在、販売が決まっているのは中国国内(1月24日~)のみであり、世界、日本への発売は未定です。中国価格は4.3万円ですが、ギアべ等で日本へ輸入するとなると6万円程度は覚悟しておいたほうがいいでしょう。それでも、全機種中性能1位のモデルが6万なら安いですが。
気になる技適取得後の日本への販売ですが、Pro無印も販売されていないことを考えると現時点では可能性はかなり低いです。万一販売が決まっても、技適等の対応への出費もかかるので値段は跳ね上がることでしょう。
1月時点での最高性能スマホ、気になる方はぜひ手に入れてみては如何でしょうか。なお、中国では1月15日から予約ができるようです。
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