追記:2019年版を書きました。こちらのほうが新しい内容です。
過去2年に渡って、10万円以下で組めるハイスペック自作PCの提案をしてきました。今年でこの企画も3年目になります。(バックナンバーはこちら→【2016年】・【2017年】)今回も、予算を10万円として、2018年最新のコスパPCを考えてみます。
目標としては、最新ゲーム(PUBGやOW、BLESS、黒い砂漠など)がめっちゃ快適に動くスペックを目指します。『動画編集も、3Dゲームもコレ一台でOK!最低5年は戦えるぞ!』そんな感じで組みます。
今回は初心者向けのパーツ中心 メンテナンスが楽な構成
今回予算に含めるパーツは以下の9点となります。(入力装置、モニタ、OS含まず)要は本体部分を全て含めた価格ということですね。
・CPU ・GPU
・マザーボード
・メモリ ・SSD
・HDD ・DVDドライブ
・電源 ・ケース
なお、実際に組んだ後に『熱暴走でまともに使えない・・』『動作音がうるさすぎる・・・』など、初心者がハイスペックPCを組んだ時にありがちなトラブルを避けるために、なるべく熱を発生させない、水冷等も必要ない、メンテナンスが楽、このようなPCを組みます。
実際に組む構成パーツ一覧
CPU
参考価格:約33000円 1/7追記:CPUの供給不足により価格が高騰しているようです。
CPUで自作でハイスペックと言えば、まず憧れるのが『Corei7』ではないでしょうか。誰もが一度は聞いたことのあるハイスペックCPUです。今回はコレの2017年発売モデルを積みましょう。2018年になり、少し値段も下がりました。
正直、コレを積むことはかなりのオーバースペックなのですが、性能に余裕のあるモノを積むことによって『なるべく100%フル稼働させない→発熱量を抑える』ことを狙っています。
とはいっても、公表されているTDPが65wとかなりの省エネCPUですので、フル稼働させても一昔前のようなアツアツPCにはなりません。初心者でも問題なく扱える自作PCとして活躍してくれるでしょう。
※私的には、PUBGなどの3Dゲーム用途、動画編集がメインであれば【Corei5 7600】でも十分に運用が可能だと思います。あくまで余裕をもって、そして予算10万で収まるギリギリを選んだ選択です。
余談:前回、2017年は【AMD社のRyzenシリーズ】を激推ししたのですが『ハイスペックなのにIntelじゃないの?』という意見が目立ち、あまり受け入れられなかったので今回はなんとかIntelで10万以内に抑えました。(Ryzenはコスパが本当に良くて、非常に面白いCPUなんですけどね・・・。)
GPU
参考価格:約24500円
3Dゲーム用途の核になる部分、グラフィックボードの選択です。GTX1050では最新ゲームは少々厳しいので、そのワンランク上のモデルであるGTX1060をチョイス。今回は、自作する際、メンテナンスする際の効率を考えてショートモデルを選びました。
従来のフルサイズに比べて奥行きのサイズが短く、配線などの設置が楽になります。また、ケース内の隙間に余裕ができるので、風通しが良くなり、熱のこもりを防ぐことができるでしょう。この排熱対策は、水冷などをしないPCにとっては重要な項目です。
PUBGの高設定モードや、標準的なVRゲーム、Unityなどを使ったゲーム開発、複雑な動画編集などあらゆる場面で活躍してくれるでしょう。
※今回は、発熱やメンテナンスのしさすさなどを考慮してGTX1060を選択しましたが、高グラフィックを要求するVRゲームを動かす予定がある場合は【GTX1070】をオススメします。しかし、この場合はVR装置を含めて25万~30万程度の予算が必要となります。
3/19追記:急激なマイニング需要により価格が大幅に高騰しているようです。お値段1万円ほど上がっています。 1050と1060の中間とも言えるGTX1050Tiなら辛うじて20000円程度で買えるようです。
8/24追記:少し価格が落ち着いてきました。フルサイズモデルのGTX1060/3GBであれば、2万7千円程度で入手できるようです。
マザーボード
参考価格:約7800円
マザーボードは最新モデルの標準的な性能を搭載したモノを選択。よく2万円クラスの『ゲーミングマザー』などを店頭で見かけると思いますが、あの手の価格のものは『高級コンデンサ』や『グラフィックボードを2枚挿せる』、『メモリを8枚挿せる』などオーバーな機能を搭載した物がほとんどです。
実際に10万クラスで必要な物は【グラボが最新規格で1枚搭載できて、メモリが2~4枚挿せて、3年~5年以上は持つであろう耐久性】ぐらいです。この程度であれば、1万円以下のモデルでも十分に搭載されている機能ですし、わざわざ使わないオーバーなアイテムを買う必要はありません。
今回紹介するモデルは、これに加えてUSB規格も最新の3.1に対応、メモリは32GBまで積める、など7800円でもオーバーなぐらいの性能を備えています。これで十分でしょう。
『いいや!耐久面が不安だ・・・!10年は使いたい!』『メモリは4枚刺しで64GBだ!!』などという方はもう少し上のモデルを選択したほうが良いでしょう。ちなみに私は【じゃんぱらで買った2980円のマザーボードにGTX1070を搭載】してVRを快適にプレイしています。笑
メモリ
参考価格:約9600円
さて、価格高騰が著しいメモリーの選択です。昨年紹介したときより3000円~4000円ほど高くなっています。ここは最低限の8GBをチョイス。永久保証があるので安心です。要は、壊れたらいつでも交換、返金してくれます。保証書はしっかり持っておきましょう。
基本的に上記で挙げたようなゲーム用途、編集用途であれば8GBでも十分に動作可能かと思います。(私の現在の環境が8GBメモリです)近年は『最低16GB』などと言う意見を挙げる人も多いですが、実際に8GBで快適に最新VRをプレイ、動画を編集している身としては疑問です。
しかし、【黒い砂漠】など16GBあったほうがよりヌルヌル動くゲームがあることも事実ですので、完全に用途次第だと思います。こちらは『買い足すことができるパーツ』ですので、組んでみて、万が一不満を感じたら後から追加すれば良いんです。買ってきて挿すだけです。
というわけで、今回は8GBの1枚差しを選択。前回より3000円ほど高い値段になります。結構キツイですね。価格高騰はまだまだ続くと予想されていますので、買い時が遅くなるほど、値段が上がる可能性があります。
SSD
参考価格:約8100円
SSDは前回と同じ容量の240GB→360GBをチョイス。こちらも価格が一向に下がらない需要過多のアイテムです。前回より1000円ほどしか安くなっていません。価格と容量を考えると、あまりコスパは良くないので、最低限の容量を買いましょう。
予算が限られているので、今回は240GBを選択しましたが、10万円を超えてもいい場合は512GBほどあると沢山のゲームを快適にプレイすることができるでしょう。といっても、少ない容量でゲームができないわけでありません。後述するハードディスクにインストールすることで問題なくプレイが可能です。
ではインストールする場所がHDDだと何が違うのか、ズバリ『ゲームのロード時間がちょっと長くなる』ということです。NowLoading・・・みたいな表示がちょっと長いよー、と。そんな感じに思ってもらえればOKです。
『ゲームがずっとカクついてるよー』なんていう場合には、HDDが原因であることは結構少ない(大体CPUかGPUかメモリ)ので、この点は心配しなくてもいいです。
ハードディスク
参考価格:約7200円
SSDの容量不足部分はこちらで補います。少々オーバーに3000GB積みましょう。これだけあれば、よほどヤンチャしない限りはストレージが余りまくるでしょう。低速ロードでも良いゲームはこちらにインストールすると余裕ができますね。
その他写真、動画、圧縮ファイルなどの保存先、ダウンロード先としてHDDを設定しておくことで、効率よくパソコンを使うことができるでしょう。予算は10万円に限られていますから、このぐらいの工夫は必要です。
基本的に複数ドライブ構成だからといって、取扱いが難しくなることはありません。挿すだけです。パソコン上でも分かれて表示されるので、むしろデータ保存先として分かりやすいでしょう。
※OSのインストール場所だけは気を付けてください。基本的にSSD(空き容量の少ないほう)にインストールしましょう。パソコン全体の動作が早くなります。
ディスクドライブ
参考価格:約1800円
DVDなどを読み取る装置です。今回は、読み込み、書き込み共に安定しているモデルを選択。お値段は激安の1800円。BD搭載機ではなく、DVD搭載機にすることで安く抑えています。というのも、ゲーミングPCなどでBDを取り扱うタイミングが少ないからです。
2017年のときにも書きましたが、近年はダウンロード販売やHuluなどのストリーミング配信が主流です。そして、機械を買っても、アプリケーションのインストールメディアはDVDが大半。更にわざわざBDにデータを焼いて保存しなくても、3000GBのHDDがあります。
アニメや映画をBDで見る人は一定数居ますが、それを見るのはBDレコーダーではないでしょうか?もしPCでBD映画を見ることを前提にしている場合は7000円ほどのBDドライブを買ったほうが良いですが・・・。用途に合わせて選択しましょう。
電源
参考価格:約4100円
電源ユニットは、品質が悪いと原因不明のブルースクリーン・フリーズ・再起動の原因になったりする重要なパーツです。私もこのアイテムで苦い経験をした一人です。電源に関しては、最低でも『80+』以上が付けられたモデルを選びましょう。
これは変換効率を表す数値です。高いほど信頼が置ける良い電源と考えて良いでしょう。今回の構成では【80Plusで500w】ほどあれば余裕があるかと思います。「消費電力合計したら200wだったから、300wの電源でいいや!」といったことは“絶対に”しないでください。
製品記載の◯◯wというのはあくまで『変換前』の数値ですから、かなり余裕を持って選ぶ必要があります。(10年前の私はこれを知らずに失敗した・・・)構成パーツを変える場合は余裕を持って選んでください。
ケース
参考価格:約3900円
最後はケースです。一般的なPCショップで購入できるものであれば、約4000円で買えるJAX-02Wがオススメです。こちらはAmazonベストセラー1位を維持している売れ筋ケースでもあります。値段の割に作りがしっかりしている印象です。
同モデルのサイズ違いに『マイクロATX対応モデルで500円ほど安い』ものがありますが、こちらはサイズ的に初心者が自作しづらく、手が入るスペースが狭いのでおすすめできません。今回の構成だと中身もキツキツになるのでエアフロー的にも悪いです。
作りやすさ、メンテナンスの楽さを考えて、JAX-02Wを選択しましょう。マイクロATXでも使えますし、サイズ的に余るので作業が楽です。欠点としては、アクリルパネルなのが静電気的に気になることですかね。
そのような条件もクリアし、かつ値段も3500円ほどの【最高コスパPCケース】もあるのですが、ドスパラにしか売っていないPBモデルになります。こちらも非常にお勧めできる格安ケースです。
合計した金額と総評など
上記に挙げた9パーツの値段を合計すると、以下のような値段になります。
・GPU:GTX1060 3GB 24500円
・マザーボード:7700円
・メモリ:8GB 9600円
・SSD:240GB 8100円
・HDD:3000GB 7200円
・DVDドライブ:DVDドライブ 1800円
・電源:80+500w 4100円
・ケース:ATXケース 3900円
合計金額 99900円
ということで、ギリギリですが10万円以内に収まる計算となりました。なお、Wi-Fi等の無線通信でインターネットすることを考えている場合は、1000円程度で『無線LAN子機』を買いましょう。
「キーボードもマウスもモニターも入ってないとやだー!」という方は、CPUを【Corei5 7600】ハードディスクを【2TBHDD】にして、浮かせたお金で【キーボードとマウス】そして【激安モニター】を買いましょう。10万円前後で全て揃うはずです。
以上が今回オススメする推奨モデルとなります。恐らく、『i7 7700、GTX1060、HDD3TB、80+電源』などを搭載して税込み10万円以下のモデルは、どのBTOパソコンを探しても見つからないと思います。かなり安く抑えられているんじゃないでしょうか。
ゴリゴリにゲーム動きますよ。編集だってお手の物。正直、高性能VR等をしない限りは、不満は感じないはず。万が一、黒い砂漠などで不満を感じる場合は、メモリを足せば良いだけです。一から構成を見直す必要はないでしょう。
如何だったでしょうか。この記事によって、自分なりの面白い構成が見つかったなら幸いです。これを期に、ぜひ自作パソコンにチャレンジしてみてください。最後までありがとうございました。
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コメント
2018年6月版のゲームや簡単な映像編集や動画視聴やMMDに適したryzenPC(10万円以内)の記事お願いします。出来れば古井戸使いたいのでgpuはradeon系で。
コメントありがとうございます。要望を受けまして『Ryzenで作る自作PC 2018年後期』記事を執筆致しました。2018年7月1日公開予定となっております。要望通りの機体になっているかと言われると難しいところですが、参考程度に見て頂ければ幸いです。
この構成でpcを作ろうと思ったのですがマザーボードがAmazonでも楽天でもうられていなくてpcにわかなので何を買えばいいかわかりません(´・ω・`)。出来れば別の物か購入出来る場所のリンクを頂けないでしょうか。
コメントありがとうございます。製品在庫切れの情報大変助かります。マザーボードの紹介を現状オススメできる製品に変更しました。また、グラボに関しましても現在の状況を踏まえて追記しております。