2018年も10月に突入し、遂にIntelから第9世代プロセッサが発表されました。今回のモデルは「Coffee Lake Refresh-S」と呼ばれている世代であり、前のモデルとなる第8世代「Coffee Lake S」からのマイナーチェンジとも言えそうなネーミングです。
今回の大きな目玉は「はんだの採用」や「ゲーミング性能の向上」「メインストリーム初のcore i9」とのこと。詳細を纏めました。
世代ごとのスペック比較
第7,8,9世代のスペック詳細比較表
i5-7600K | i5-8600K | i5-9600K | |
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製造プロセス | 14nm+ | 14nm+ | 14nm++ |
モデル名 | Kaby Lake | Coffee Lake S | Coffee Lake Refresh-S |
対応ソケット | LGA1151 | LGA1151 | LGA1151 |
対応チップ | Z.H270,B250,Z170 H170,B150,H110 |
Z390,Z370,H370 B360,H310 |
Z390,Z370,H370 B360,H310 |
コアスレッド | 4コア4スレッド | 6コア6スレッド | 6コア6スレッド |
クロック | 3.8-4.2GHZ | 3.6-4.3GHZ | 3.7-4.6GHZ |
キャッシュ | 6MB | 9MB | 9MB |
TDP | 91W | 95W | 95W |
内蔵グラ | IntelHD630 | IntelUHD630 | IntelUHD630 |
対応メモリ | DDR4-2133 | DDR4-2666 | DDR4-2666 |
先陣をきって発売されたのがi5-9600Kだったため、今回はこちらをベースに過去作と比較。製造プロセスは14nmと変化はなく、ベースとなるコアもSkylake(第6世代)系統のものが引き続き採用されています。
しかし、今回の第9世代はトランジスタのサイズを縮小するなどしてより製造プロセスを良いものにしているとのこと。そのため、前モデルまでの+から++へと表記が変わっています。
ソケット形状に変化は無く、1151が引き続き使えます。第8世代で一新された対応チップセットも今回は据え置き。Z370など既存の8世代用のチップセット搭載マザーボードが使えます。
『予算10万円で作る自作PC講座』でも軽く触れたように、8世代後の一新された対応マザーは非常に高価でしたが、今回は変更なし(Z390など新しいものは追加される)ですので、書いやすい値段になることが予想されます。
コア数は据え置きの6/6。i7に関しては6/12だったコア/スレッドが8/8へと変更されています。コア数自体が増えていることを考慮すると正統進化と言えるでしょうか。i9は8/16となっています。
キャッシュも据え置きで9MB、こちらはi7/12MB、i9/16MBとなっており、ランクが上がるに連れて増えています。内蔵グラフィックも据え置きのUHD630のままです。
全体的に大きな変更点は無いと言えるでしょう。敷いて言うならばi9が追加されたことでしょうか。一般人が感じるネーム的なブランド力はかなり強いでしょう。
今回のi9はPassMarkスコア2万点超え
今回はメインストリーム系では初のi9が登場しています。Skylake系でではあるものの、TurboBoost5.0GHz、キャッシュ16MBを備えるハイスペックモデルという位置づけ。今作のi7よりも性能面では上です。
我々の側から見ていると「んなもん、Core i9-7900Xで一回登場してんじゃねーか」と言われそうですが、メインストリームCPUとしては初登場ということもあって、世間一般にi9というワードが普及するのはここからと言えるでしょう。
某中古PCショップでは「i7搭載のPCが3万円!」などと謳って8年も前のパソコンを平気で売っている時代ですから…。そしてそれを喜んで買う人も多い、世代なんて見てない。世間の認知というのはそんなものです。今回のi9と言うビックネームが普及したら面白くなりそうです。
i9-9900kの日本入荷は11月を過ぎる予定とのこと。価格は6万円~6.5万円程度で登場することが予想されています。恐らく、今回のモデル展開で一番人気になることが予測されるので、品切れには注意です。
なお、気になるベンチマークの数値は以下を確認してください。同じTDP95W帯のi7を大きく引き離した優秀なスコアとなっています。
・Intel i7-9700k 17425点
・Ryzen7 2700X 16961点
・Intel i7-8700k 15974点
・Intel i5-9600k 13897点
・Intel i5-8600k 12795点
※追記:2020年以降は上記数値とスコアが若干変化しています。
はんだ採用、ゲーム体験の向上、発表会での話
今回の第9世代モデルは、ゲーム時のフレームレートが向上していると発表会でアピールされていました。8世代と比べて、人気タイトルでは10%程度のFPS向上が見込めるとのこと。
また、内部基盤の一部接合にグリスを使っていたところをハンダに変更したことによって、熱伝導性を向上させることに成功しているとのこと。これによってオーバークロック時の排熱処理能力などが向上するそうです。
i9-9900kの5GHZ駆動も、このはんだ処理によって実現しているとの説明でした。元々Sandy Bridge(第2世代)までははんだ採用のプロセスでしたが、3世代からグリスに変更されました。今回の新作ではんだへと回帰したような形となります。
更に発表では28コア56スレッドのXeon W-3175Xも公開されていました。こちらは一般向けではなく、法人やプロ向けの製品(Xeonシリーズ)となりますが、恐ろしいベンチスコアになりそうです。
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