本日より発売のNVIDIA RTX2070 Super,RTX2060 Superの性能ベンチマークと前モデルとの比較です。RTX2080 Superの情報も掲載。
今回のSuperグラフィックボードは399ドル~という大幅に安い値段設定に加えて、無印の20%程度性能アップ(最大)という恐ろしいコスパを兼ね備えているグレードとなります。
7/31追記:2080Superのベンチマーク情報を追加しました。
RTX,2060,2070,2080(Super)のスペック検証
今回のSuperモデルは無印に比べてCUDAコアが増加、TDPも若干増という構成になっており純粋に発熱とスコアを底上げしてきているような印象です。以下詳細スペック表。
詳細スペック情報
2060 | 2060 Super |
2070 | 2070 Super |
2080 | 2080 Super |
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インターフェース | PCIE 3.0 | PCIE 3.0 | PCIE 3.0 | PCIE 3.0 | PCIE 3.0 | PCIE 3.0 |
アーキテクチャ | Turing | Turing | Turing | Turing | Turing | Turing |
コア数 | 1920 | 2176 | 2304 | 2560 | 2944 | 3072 |
GUPコア | TU106 | TU106 | TU106 | TU104 | TU104 | TU104 |
メモリ | 6GB | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
bit数 | 192bit | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
GPUクロック | 1365 MHz | 1470 MHz | 1410 MHz | 1605 MHz | 1515 MHz | 1650 MHz |
GPUブースト時 | 1680 MHz | 1650 MHz | 1620 MHz | 1770 MHz | 1710 MHz | 1815 MHz |
TDP | 160W | 175W | 175W | 215W | 215W | 250W |
推奨電源 | 500W | 550W | 550W | 600W | 600W | 650W |
補助電源 | 8pin | 8pin | 8pin | 8+6pin | 8+6pin | 8+6pin |
価格 | $349 | $399 | $499 | $499 | $699 | $699 |
基本的にRTXシリーズは1世代前アーキテクチャのGTX10◯0系のような大幅な省電力性能アップは行われておらず、純粋に消費電力増でパワーを上げています。Superも同じような仕組み。
Superで特徴的なのはCUDAコア数の増加。更にRTX2060Superはメモリインターフェースが256bitとなり、メモリ量も8GBとなっているので無印2060だけが置いてけぼりになっています。
2070Superに関してはGPUコア自体がTU104に格上げされており、ほぼRTX2080系といっても良い内部構造に変化しています。
この性能アップグレード具合でお値段は旧無印と同じ(2060は+50ドル)というビックリ価格。恐らくAMDの5700XTなどに対抗した結果なのでしょうが、我々ユーザーには嬉しい値段設定です。
旧機種(モデル)と比較して
上記スペック表を踏まえた上で性能を旧機種と比較すると以下のような纏め方になるでしょう。
- RTX2060SuperはRTX2070とほぼ同じ性能
- RTX2070SuperはRTX2080より僅かに下
- RTX2080SuperはRTX2080より上、2080Tiより下
RTX2060SuperはRTX2070に比べるとCUDAコア数が若干足りないものの、クロック数を引き上げることによって同等に近い性能を引き出していると言えます。
RTX2070Superも同様にRTX2080よりコア数が少ない分、クロックス数を上げて性能を調整している印象です。これによりTDPは同水準に収まっています。
RTX2080SuperはRTX2080Tiには届かない性能になります。このモデル展開がメインとなっていも2080Tiは最上位モデルとして市場に残す意向のようです。
なお、今回の新モデル展開でRTX2060とRTX2080Ti以外(RTX2070とRTX2080)は生産が終了していく見込みだと報じられています。
RTX 2070Super,2060Superのベンチマーク情報
各ベンチマークソフトウェアごとのRTXスコア(旧機種比較)もグラフ化してみました。多少のばらつきはありますが全体的に優秀な結果を記録しています。
ベンチマーク環境はこちら↓
- CPU:Intel i7-8086K 5.0GHz
- メモリ:Corsair Vengeance LPX 32GB
- SSD:Crucial MX300 1TB
- マザー:ASUS ROG Maximus X Hero
PassMark GPU SCORE
PassMark:GPUスコア比較表※3
2080Superが発売されたのでスコアを更新しました。2070Superで2080に少し劣る程度、2060Superは2070と同等か僅かに下回る数値になります。2080SuperもTiの少し下程度に収まっています。
RTX2070Superに関しては「GTX1080Tiを上回る」と公式で断言されていましたが、実際のベンチ結果はもう少し下になるようです。
コストパフォーマンスを考えるとRTX2060Superは非常に良いモデルです。もはや無印RTX2070を買うメリットはほぼ無いと考えて良いと思います。
3DMark FireStrike
3DMark:FireStrike/ULTRA/DX11※2
3DMarkの結果は2080Tiがより差を広げることになりました。2070Superはやはり少し低めの数値を記録しています。
対象的に2060SuperはRTX2070を上回るスコアを記録しており、如何にポテンシャルが高いかを見せつけられる結果となっています。
シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダー
トゥームレイダー 1080P/High/DX12 AVGFPS※1
Steamなどで配信されているベンチマークにも優秀な3Dゲームです。今回はアベレージ(平均)FPSをグラフ化。RTX2080Tiが大きく数値を引き離しています。
2070Superは2080に比べると少しFPSが低いように見えますが、2060Superは2070とほぼ同じFPS値を記録しており、コストパフォーマンスの良さが実感できます。
グランドセフトオートV
GTAV 4K VH/ULTRA/DX11 AVGFPS※1
お次はDX11のゲームでのアベレージFPS(4K画質)の計測値。こちらもRTX2080Tiがぶっちぎりです。2070Superは57.3FPSとまずまずの数値。2060Superは2070とほぼ同数です。
トゥームレイダーの結果からもわかるようにRTX2070Superはスペック表やNVIDIA公式が発表した性能アップ%よりも少し低めの結果に推移しています。
総評:狙い目は『RTX 2060 Super』
今回のベンチマークデータではRTX 2070 Superよりも2060 Superのほうがコストパフォーマンスに優れている印象を受けました。純粋に無印RTX2070の代替品として今後普及することになるでしょう。
現在のRTX2070,2060の相場と同程度(2060は+50ドル)に価格が落ち着いたら狙い目です。純粋に同じ値段で性能アップが見込めます。
マイニング需要の減少でグラフィックボードの価格は下がることが予想されていましたが、思ったほど値段が下がっていないのが現状。
VR用途などになるとPCパーツ全体の予算の約50%がGPUに消えることになります。少しでも安いモデルを購入したいものです。
用途別おすすめモデル
- 開発用VR用途 Valve Index,Oculus S,VIve Pro eye
- 2K~4K 144FPSゲーミング用途
- これから発売される未来のゲームにも対応したい方に
- ハイグレードVR用途 Valve Index,Oculus S,VIve Pro
- フルHD~2K 144FPSゲーミング用途
- 最先端のゲームを最高品質でプレイしたい方に
- ミドルグレードVR用途 HTC Vive,Oculus Rift
- 4K 60FPS ゲーミング用途
- 高品質ゲームをストレス無くプレイしたい方に
※ 参考:NVIDIA公式サイト ※1 参考:GAMENEXUS ※参考2:Guru3D ※参考3:PassMark
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