遅ればせながら『VIVEPRO』を入手したので、そのレビューです。某ネットショップとの行き違いにより入手が大幅に遅れてしまいましたが、感想だけでも述べておこうと思います。
今回は、既に外観レビューや、使用感レビューが大量に出回っている、言わば後発組のレビューとなりますので、自分が感じた特に素晴らしいと思う点や特に気になった点などをポイントで取り上げようと思います。
解像度アップは”ハッキリ感じる” 凄いぞ!
まずはコレ。解像度の話。約78%アップしたVIVEPROの解像度。「違いがよくわからない」という意見がTwitter等でも目立ちますが、決してそんなことはない。違いをリアルタイムで比べなくとも、ハッキリと感動できるぐらい綺麗ですよ。
一番分かりやすいのが『Bigscreen』などのバーチャルデスクトップ系ソフトウェアを使用した時。今まで潰れて見えなかったデスクトップの文字が…なんとまぁ見えること見えること。劇的に変わります。
Bigscreenには映画館モードがあるのですが、従来のHTCVIVEではこの映画館でのYouTube視聴の際、480~720pの時点で画質の限界点に到達していました。要はここから1080pにしても映像が綺麗にならないということです。
今回のVIVEPROは違う。1080pと720pで明らかに映像の鮮明度が違います。1080pでみる映画館はまさに圧巻。装着感の良さも相まって没入感が段違いです。ついついPV、MVを何個も見てしまいました。
映像の体験、画質の向上に関しては個人差があるかと思いますが、少なくとも筆者は着けた時点(真っ白部屋)でHTCVIVEとの違いを実感しています。ドット感が圧倒的に減っている。
逆に、期待しすぎないで欲しい点もあります。”ドット感”の話ですが「まったくドットを感じず、現実のようだ」と言っているわけではありません。「ドットがめっちゃ細かくなってる!!」が近い表現といえるでしょうか。
結局『ドットを見ている感』はあります。これだけは理解して手を出して欲しいです。
VIVEPRO本体の装着感:頬が痛くない感動
今回大幅な変更があった外観。そして装着感です。一番感じたのは、やはり皆さんが仰っているように『頬が痛くならない』点です。これ、普段長時間利用する私だけの悩みかと思っていたのですが、やっぱり皆感じていたのですね…。
今回は構造が大きく変わったことにより、ほっぺたに負荷がかかりにくい仕様になっています。VIVEPROの映像機構の部分を上下に可動できる、回せるようになっている、といえば良いのでしょうか。
これを若干上向きに固定することによって、頬への負荷を大幅に減らすことができます。もちろん、そのままでも負荷は少ないのですが…、筆者はちょっと上向きにするとGOODでした。頬へかからなくなった負荷はおでこへ回ります。
初回テストプレイということもあり、3時間ほどぶっ続けで色々なゲームを試しましたが本当に疲労感が少ない。「顔、頭が痛くならないのはこんなにも快適なのか…」と関心しました。
有線ケーブルも大幅に改善
ケーブルは従来のフラットな太いケーブルから一新され、一本の細い丸型ケーブルとなりました。これ、かなり取り回しが良いです。フラットケーブルの時はねじれによって頭に負荷がかかり、後頭部が痛くなったりしたのですが今回はそれがない。
ケーブル自体も、頭部へ負荷がかからないように後ろへ流れる工夫がなされていますし、丸型ですのでねじれにも強い。格段に動きやすくなった印象です。
ヘッドフォンは正直残念:シャリシャリ感
ちょっと気になった点です。ヘッドフォンは従来のイヤホン端子接続タイプではなく、本体に備え付けられています。このヘッドフォンが正直微妙…。カナル型のように耳を塞ぐわけでもなく、オーバーイヤーヘッドフォンのように耳全体を覆うワケでもない。
そのため、周囲の音は丸聞こえです。安全性を考えると正解ですが、没入感を考えると不正解です。耳からスピーカーが遠い&サイズも小さいことから、音はシャリシャリしている印象。低音は全然届きません。せっかくのハイレゾ対応なのに…。
両手で押さえることによって耳へと近づけてジャストフィット状態で聞くと、なかなか良い音で低音もしっかり出ているだけに非常に残念。この手のタイプに慣れている方なら違和感はないと思います。
筆者は普段カナル型でドンシャリしているタイプですので、このシステムには不満を感じています。ガッツリ重低音の聞いたサウンドでVRに溺れたいと感じてしまう。
GTX1070環境で動くのか…?ギリギリか…?
お恥ずかしい話なのですが、これだけVRの記事を投稿してきているのに、ウチのPC環境は未だにGTX1070です。(よくこれでVIVEPRO買ったな…)正直PROがマトモに動くか不安でした。
結果を言ってしまうと、案外動きます。しかしギリギリといった印象。少しでもVR以外で負荷がかかるとカクつきの原因となりそうです。SteamVRのシステムはフレームレートが足りていないと警告が出ています。
しかし、VRChatなどの表示では90fpsを維持している模様。ある程度ゲームを試してみましたが、気になるほど体験の低下を感じたソフトウェアは無かったように思います。(VIVEの時からカクついていた)
しかし、GTX1070はあくまでギリギリなのであって、推奨ではない気がします。『必須:GTX1080 推奨:GTX1080Ti』ぐらいでちょうど良いかと思います。PROを買う際は、最低でもGTX1080にする気持ちで挑みましょう。
また、今年発表と言われているGTXシリーズの最新モデルを待つのも手です。(筆者は我慢できずにGTX1080あたりを買ってしまいそうですが…。)
総評:コアVRゲーマーにはアリだが、ライトユーザーにはコスパ悪し
如何だったでしょうか。纏めると、今回の『VIVEPRO』は装着感や解像度が大幅に向上し、装着してすぐにそれを体感することができました。従来機の不満点を上手く改善している機体と言えるでしょう。
しかし、このVIVEPROはお値段が約10万円です。フルセットとなると17万円する装置となります。この値段を考えるとコスパはかなり悪いです。常にVR業界を追求、開発する人間ならアリですが、ライトユーザーには向いていません。
筆者自身、店頭で「お仕事で使われる感じですか?会社のオフィスに置く感じ?」などと店員さんに話しかけられました。笑 そんな装置です。
「VRを自宅で体験してみたい…」というようなライトユーザーにはPROではなく『HTCVIVE』を断然お勧めします。PRO発売にあたって値下げもあり、フルセット7万円で購入可能です。まずはここからはじめましょう。
最後までありがとうございました。一人でも多くのVRゲーマーが増えることを願っています。
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コメント
>78%アップしたVIVEPROの解像度。
これは嘘ですよね?
スペックはもう少し正確にお願いします。
コメントありがとうございます。2592000ドット→4608000ドットへとアップしておりますので、77.77…%の向上となります。ハッキリと78%と記述したのはコチラ側のミスですので”約78%”に訂正致しました。ご指摘ありがとうございました。