先日、Samsungが『Galaxy Book S』を発表しました。世界初のSnapdragon8cx搭載ノートパソコンとなる見込みです。ARMベースのコアとWindowsの組み合わせはかなり珍しい。(前例が無いわけではないです)
ARMベースのWindowsノートには超薄型化、バッテリー持ちの大幅改善、復帰爆速化などが見込めます。今回の発表の詳細を纏めました。
Galaxy Book Sのスペック詳細
Galaxy Book Sのスペック表 | |
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OS | Microsoft Windows10Home/Pro |
CPU | Qualcomm Snapdragon 8cx (kryo495)(1.8/2.84GHz) |
GPU | Adreno 680 |
メモリ | LPDDR4x ~2133MHz 8GB |
ストレージ | 256/512GB |
ディスプレイ | 13.3インチ IPS 光沢 タッチ有 液晶 1920×1080 |
端子 | USB3.1 TypeCx2 イヤホン nanoSIM microSD(1TB) |
認証 | 指紋認証対応 |
無線 | 2.4/5Ghz Bluetooth5.0 |
バッテリー | 42Wh 23時間 |
サイズ | 305.2×203.2×11.8mm(最薄部6.2mm)0.96kg |
カラー | シルバー |
キーボード | 英語 |
値段 | 北米 999ドル |
上記が公式発表されているスペックとなります。OSはARM版Windowsなどではなく通常のWindowsを搭載。Socは8cxですのでGPUは初登場のAdreno 680となります。
ストレージは選択できますが、メモリは8GBで固定の模様。画面は13.3のスタンダードなサイズになっており10点タッチに対応します。タッチパネルとなるので光沢液晶ですね。
バッテリーは42WhとノートPCとしては少ない容量ながら23時間の連続使用を可能としています。搭載バッテリー量が少ないこともあり、本体は非常に薄く作られています。
ほか、指紋認証に対応。Bluetoothは5.0です。
このノート、めちゃくちゃ薄いぞ!?
DELLのXPS13やHPのX360など現行機は薄いノートPCがたくさんありますが、Galaxy Book Sはこれを凌駕する薄さです。
最大の厚みが11.8ミリ-最薄部で6.2mmとマジで薄い。USBポートを見るとわかりますがコネクタの太さが収まっていないレベルの薄さです。ガチで薄い。
現在使用しているDELLのXPS13は表記の薄さは11mm台と薄いのですが、底部が盛り上がっているので実際の持ち具合は太めです。その点、以前使用していたX360のほうが持った感じも薄く優秀でした。
Galaxy Book SはこのX360を超えてくるのではないか?という見た目です。重さも960gと非常に軽いので、とにかくカバンの圧迫を減らしたい、重くしたくないという私には相性抜群に感じます。
Snapdragon 8cxを初搭載
Galaxy Book SにはARMベースであるsnapdragonの新モデル8CXが搭載されることになりました。8cxは現行の855より少し上の性能ですが同世代のモデルです。
Windows用に何か特殊なシステムを実装しているワケでもなく、X86/64系でもないのですが、今回はネイティブなWindows10Home/Proで動作させる模様です。
このあたりがどれほど快適に動くのかが見もの、というか正直不安な部分になりますね。
消費電力や発熱等は従来のsnapdragon系と同レベルの水準に落ち着いているので、スマホ程度の発熱とエネルギー消費になります。これによってファンレスなノートパソコンとして稼働させることができます。
もちろん、消費電力も抑えられているので搭載バッテリーも少なくてOK。大幅な薄型化に貢献しています。
ARMのWindowsはどれほどのものになるのか…不安
一般的にARM系チップを搭載したノートPCでもWindowsソフトウェア起動は動作に若干もたつきが発生します。ARM→x86系に命令を変換(エミュレート?)して実行しているためです。
ソフトウェアメーカー側がARMに対応したシステムにアップデートしてくれれば問題は解決しますが、ユーザーの少なさやコストも考えると難しいのが現状です。
実際にsnapdragonのチップを搭載したノートは過去にレノボなどからも発売されているのですが、ARM版WindowsというOSを搭載した上でアプリ起動のみの限定版(解除は可能)でした。
解除した上で通常のWindowsとして使うこともできたのですが、やはりソフトの動作に遅延が発生するので快適なノートパソコンとは言えない状態でした。
この問題をGalaxyBookSは解決しているのか?というのが不安点となります。
Windows側はある程度ARMに対応しているので問題ありませんが、ソフトウェアはエミュレートする必要があるので、変換分の遅延をどの程度カバーできる性能であるか…。
更に、現状では変換が32bitソフトウェアしか対応していないため、主流である64bitソフトが使えないのも大きな欠点です。発売までにこの問題が解決するとは思えないので、利用は32bitに限定されるでしょう。
日本での発売は未定。まずは北米から!
GalaxyBookSは北米を初手として999ドルで発売されます。具体的な発売時期もおおよそ決まっており9月頃とされています。
日本での発売は未定ですが、過去のSamsungの家電製品の発売状況を見る限りでは発売は無いと考えたほうが良さそうです。海外輸入を通して入手することが選択肢になるでしょう。
恐らく、北欧版Amazonなどでも出回ると思うので入手自体はそれほど困難では無いかと思います。実際のx86エミュレート速度など、現地の人柱レビューを待ちましょう。
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