Ryzen3700Xなど第3世代の詳細が確定:スペック比較がヤバすぎる

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パソコン ハードウェア

待ちに待った第3世代Ryzenの新作が公式発表されました。7nmプロセスで作られた3700Xなどは競合のIntel系製品より低い発熱で性能を上回り、更に半額で発売されるとのこと。これはヤバ過ぎる…。

今回発表されたのは『3600X、3700X、3800X、3900X』などの3000系全般です。ハイエンドの3900Xは499ドルと低価格ながらIntelの9920X(1189ドル)より性能は高く驚異のコストパーフォーマンスです。以下詳細の比較をどうぞ。

6/11追記:Ryzen3950Xの比較を追加しました。
7/5追記:AMDが公式発表した国内価格情報を追加しました。
7/8追記:ベンチマーク実測値と比較表を追加しました。

Ryzenスペック表:Intelの競合と比較

Zen2とIntel Corei9の比較表

モデル 周波数 コア数 キャッシュ TDP スコア 価格
3600 3.6‐4.2 6/12 35MB 65w $199
3600X 3.8‐4.4 6/12 35MB 95w $249
9700K 3.6-4.9 8/8 12MB 95w 100% $374
3700X 3.6‐4.4 8/16 36MB 65w 128% $329
3800X 3.9‐4.5 8/16 36MB 105w 137% $399
9920X 3.5/4.4 12/24 19MB 165w 185% $1189
3900X 3.8‐4.6 12/24 70MB 105w 195% $499
3950X 3.5‐4.7 16/32 72MB 105w $749

※ベンチはCinebenchR20のマルチスレッド intel i9 9700Kを基準とした場合
参考:Ryzen発表会映像 YouTube

競合と言われているIntelCorei9と比較してみました。Intel側は既に発売していることもあり価格表記よりは実売価格が少し安くなりますが、9920Xとほぼ同等の性能を持つ3900Xが半額以下の値段設定となっています。

この発表時には会場もかなりざわついており「価格崩壊を起こしている」と各メディアで伝えられています。

更に性能を上回っているにも関わらずTDPは60wも低く、より低発熱、低消費電力での駆動を可能としているようです。

この低TDP化の要因には7nmプロセスでの製造が大きく貢献していると考えられます。Intelは未だに14nmで無理やり新製品を発表していますからね…。技術の差が出てきています。

今回のRyzen第3世代の主な特徴

今回発表された第3世代Ryzen5、7、9の基本的な特徴は以下の通りです。

第3世代の主な特徴・従来のAM4ソケットと互換性あり
・PCI Express4.0に対応
・第2世代の2倍のキャッシュサイズ

まず今回のRyzen第3世代は引き続きソケットAM4に適応しています。既に発売済の従来型マザーボードでもBIOSアップデートで使用できるようになるでしょう。

このため、新規の高価なMBを買う必要が無くよりコストパーフォーマンスに優れた構成が実現できます。

もちろん、最新のX570チップセット搭載の新作マザーボードもパートナー企業から順次発売されるとのことです。

また、現状のスタンダードであるPCIe3.0を越える4.0に対応することでより高速なグラフィックボードなどの装着が可能となります。

更にキャッシュサイズは従来の第二世代の約2倍となっており、3900Xで70MBものキャッシュメモリが搭載されています。

一般ユーザー向けお勧めは『Ryzen7 3700X』

3900Xの圧倒的な安さが目立っていますが、他のモデルもコストパーフォーマンス抜群です。 特に65w駆動で低消費電力な3700Xは非常にバランスが良い。

コア数も8コア16スレッドで丁度良く、シングルコア性能も満点。下位モデルの3600Xより何故かTDPも30Wほど低いので、より本体の発熱が少ないPCを組めるでしょう。

正直、従来の2700Xとは全くの別物と思ったほうが良いです。

単純な性能としてはi9 9900Kの若干下程度に位置するようです。PassMarkスコアは大体2万点ぐらいになるかと思われます。一般家庭用としてはオーバーキルレベルです。

過去の傾向から見ると日本での実売価格は4万円~4.5万円程度になるのではないでしょうか。

個人的には発売日から様子を見つつ価格が3万円台に落ち着くのを待ちたいところです。

もはやIntelが後追いな状況。発売日は7月7日!

今回のZen2アーキテクチャの新作であるRyzen第3世代シリーズはコスパもワットパフォーマンスも良すぎる異次元の新製品という印象でした。

価格崩壊』この言葉が今年一番似合うのではないでしょうか。それぐらい安すぎる。

初代Ryzenからコストパーフォーマンスの高さは評価されていましたが『技術力の高さ』『低TDP化』などを強みとした現在はもはやIntelが後を追っている状況と言って良いでしょう。AMD完全復活です。

なお、第3世代Ryzenは7月7日を発売日と設定しており、発表された全モデルが同時に発売されます。楽しみに待ちましょう。

製品の詳細:AMD Ryzen公式ページ

追加情報:Ryzen3950Xが9月に発売

3700~3900Xの発表に続いて3950Xの情報も発表されました。16コア32スレッドという完全に業界人向けのスペックを持ちながらTDPはまさかの105wです。3600XとTDPが10Wしか変わらないのは意味不明すぎる…。

正直、7nmプロセスの恩恵がここまで凄いのかと驚愕しています。詳しいモデル比較やベンチマークは明らかになっていませんが、9700K対比較でいうと210~230%程度になる見込みです。

その分、お値段も749ドルとも他モデルと比べると割高になりますが、Intel系列と比べると圧倒的に安いのは間違いない。

発表が遅かった分、発売も2ヶ月遅い9月となりますが、最高のAMDハイエンドを目指す方には是非とも待ってほしいところです。

追加情報:7月7日発売の日本販売価格一覧

7月5日に販売価格が公式発表されました。発売直後はこの価格帯前後に落ち着くことが予想されます。以下の表を確認してください。

モデル名 価格(税別)
3200G(12nm) 11800円
3400G(12nm) 18800円
3600 23980円
3600X 29800円
3700X 39800円
3800X 46980円
3900X 59800円

3200G、3400Gは過去にAMDが得意としていたAPUというジャンルでありグラフィック統合型CPUとなります。格安自作PCの作成と抜群に相性が良いです。

筆者イチオシの3700Xは予想通り税込み4万円台となりそうです。せめて4万円切るまでは待ちたいところ。

3900Xは9700K(PassMarkスコア17186点)の1.95倍のスコアを叩き出しているモンスターCPUですが、お値段はまさかの6万円です。やっぱり値段設定おかしいんじゃないかな…。

発売後情報:ベンチマーク実測値と価格帯比較

第3世代RyzenのPassMarkスコア

  • 3900X(6万円)
    32227
  • 3800X(4.7万円)
    24781
  • 3700X(4万円)
    24430
  • 3600X(3万円)
    20163
  • 3600(2.4万円)
    19851

※数値はPassMark公式サイト引用と実測値を掲載。価格は公式発表の税抜き価格を記載。

第9世代IntelのPassMarkスコア

  • 9920X(14万円)
    25781
  • 9900K(5.6万円)
    20212
  • 9700K(4.4万円)
    17186
  • 9600K(2.8万円)
    13517
  • 9400(2.1万円)
    11826

※数値はPassMark公式から引用。価格は現在の市場価格(税抜き)を掲載。

基本的に3900X(6万円)が突出して高いスコアを叩き出しており、Intelの14万円するCPUが全然追いつけていない状況です。7nmの恩恵も凄いが、何より値段の安さが驚異的。事前情報通りのモンスターCPUです。

3900Xのぶっ飛び具合で他のモデルの影が薄くなりがちですが、2.4万円という低価格でi9 9900Kと戦っている3600にも注目。シングルコア性能も上位モデルと変わらないほど高く、最もコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

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