箱を開けて本体を開いた瞬間「あ、この機種大当たりだわ…」そう感じました。
コンパクトで滅茶苦茶美しい機種「UMPC ナノート」を早速仕入れてきたので実機レビューです。本機種はドン・キホーテの情熱価格ブランドの製品となります。お値段は19,800円です。
NANOTEのスペックを確認
ナノート(NaNote)UMPCのスペック表
スペック情報 | コメント | |
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メーカー型番 | UMPC-01-SR | アイ・ダブリュー・シー |
ディスプレイ | 7インチ IPS フルHD | グレア(光沢) |
CPU | Intel ATOM X5 Z8350 1.44Ghz | 4コア 最大で1.92Ghz |
GPU | Intel HD Graphics 400 | オンボード |
メモリ | 4GB | 変更不可 |
OS | Windows10 64bit | Home |
ストレージ容量 | 64GB | eMMC |
USB | 3.0 Type-C | 1個づつ搭載 |
カメラ | 30万画素 | インカメラのみ |
スピーカー | ステレオ | 左右に1個づつ |
キーボード | 日本語 | テンキー無し |
付属ソフト | Office Mobile | 公式アプリ |
バッテリー | 5000mAh | 7時間駆動 |
サイズ | 181×113.6×19.6 | 重さは520g |
スロット | microSDカード | 最大256GBまで |
Bluetooth | 4.0 | 5.0には非対応 |
無線LAN | b/g/n対応 | acは無いので注意 |
その他 | イヤホンジャック | HDMI Microあり |
付属品 | HDMI変換,充電器,ケーブル | Type-充電 |
基本的にはZ8350世代のチップセットを使っているのでBluetoothが4.0だったり5GHz帯のWiFiに対応してなかったりと一昔前のスペックな部分もあります。
その点を考えるとType-C充電やUSB3.0フルサイズの対応は非常に現代的で素晴らしい。専用充電器を持ち歩く必要はありません。MicroSDカードも256GBまで対応しています。
基本はMUGAストイックPCと非常に似ているスペックとなります。ベンチマークなど、ある意味アチラのレビューがそのまま参考になるかもしれません。
自分、デザインの美しさ自慢してもいいっすか…
うん、滅茶苦茶カッコ可愛い。ホントに綺麗に収めたなーって感想しか出てこないです。キーボードもギリギリのラインまで攻めた全面配列になってるし、7インチのIPS画面にも無駄がない。
タッチパネル搭載の割には厚みも薄く、本体部分を足しても2cm以内に収まります。見た目だけで既に2万円の価値があるって言い方しても良いです。ステキです。
ドンキのパソコンってわかるロゴやデザインは一切なし。MUGAやじぶんタブレットなどと同じく徹底的にシンプルなデザインを貫いています。ステッカーも貼りやすくてGOODですね。
女性ウケは良くないかもしれませんが、我々ガジェットおじさんにはたまらないカクカクしたデザイン。最高じゃないですか…?
裏面にはしっかり滑り止めもあります。重量が実測約546gと軽いのでしっかり固定しないと衝撃で動きます。
閉じた状態だと片手でグリップできる大きさになるので、持ち運び性能は最高です。大きなスマホ、ファブレットを持っている感覚に近いかも。
フォトレビュー一覧
手持ち写真。片手でも軽く持ち上げられる重さで非常に軽量。
折りたためばタブレットとして活用できます。キーボードも自動で無効化されます。
この角張ったデザインが個人的には非常に好みです。
本体は360度折り曲げることができます。ヒンジはちょっと硬い。
180度開いた図。カチッと止まるので持ち上げてもフラフラしません。
ナノートで快適にできることリスト
- YouTube視聴(アプリ フルHD)
- 軽いブラウジング(Amazon、Map等)
- 2Dゲーム(シャドウバースなど)
- 軽量3Dゲーム(Minecraftなど)
- 軽めのブラウザゲーム(かんこれなど)
- ブログ更新など(WordPress)
- Officeの利用(Microsoft Mobile)※
YouTubeはWindowsアプリを利用すればフルHDでも快適に視聴できました。特にもたつきもなくスムーズです。公式アプリが無いのでFizzTubeを利用しました。
ブラウジングは普通です。軽くもなく、重くもなく…。Amazonなどはストレス少なく見れます。グーグル・マップも一般的な速度で見れる印象。今回はChromeとEdgeを利用しました。
ゲーム全般はSteamなどで公開されている2D系ならなんとか快適にプレイできる範囲でした。挙動は以前のMUGAとそう変わらない感じです。ブラウザゲームに関しても同様の評価でした。
3Dゲームは基本的にプレイ不可です。例外的にMinecraftなど極端に軽いゲームはスムーズに動作しました。MODなどを入れなければ問題なくプレイできるでしょう。
WordPressの編集や更新作業などはかなり快適でした。特に不満はありません。余談ですが当サイトはUMPC NANOTEでも爆速表示できました。えっへん。
Office利用は予想以上にサクサクでした。今回はMicrosoftの公式アプリであるOfficeMobileが使えるので不便なく作業ができますね。※キーボードの操作性は考慮していません。
ナノートで満足にできないことリスト
- ブラウザで直接YouTubeを見る
- 動きの激しい最新サイト閲覧
- 3Dゲーム全般
- 動画編集など編集作業
FlashPlayer時代より遥かに重くなったYouTubeのサイトは、ナノートの性能では満足に視聴することができませんでした。サイト自体もめっちゃモッサリです。恐らくMUGAでも厳しくなってるはず。
また、ブラウザ全般に言えることですがHTML5の重めのサイトは動作キッツイです。ビジュアルに全振りしているようなサイトは避けたほうが良いでしょう。
先程も述べましたが最新の3Dゲームは基本的にプレイできません。一昔前の解像度低めのゲームはプレイできます。ドラクエXのベンチマーク結果も2840(低解像度x低品質)とMUGAより若干低い性能です。
動画編集やPhotoshopを使った画像編集なども少々キツイです。特にストレージ速度を要求される動画系には全く使えないと考えてもらって良いです。
本機の良かったポイント
ディスプレイ美麗・タッチスムーズ
7インチの16:10のディスプレイは1920×1200のフルHD画質です。細かい文字もよく見えるし発色も文句なしです。必要十分の視認性を備えています。視野角も一般的なIPSの広さです。
輝度の調節もかなり広い範囲で可能です。最大まで上げると眩しいし、最低まで下げると室内でもめっちゃ暗いです。不満なし。
タッチは予想以上にズレが少なかったです。一昔前の8インチWinタブなどはかなりの数を触っててきましたが、このモデルはなかなか優秀な気がします。細かい文字列も的確な精度で当たります。
Winタブにおいてタッチ精度は非常に重要(UIがどうしても細かくなるため)ということもあり、大きな利点と言えるでしょう。
eMMcが早い・SDは256GBまで対応
内蔵されているeMMcは予想以上に早かったです。リード159MB/sとMUGAより早い速度です。詳しい測定結果はベンチマーク結果から確認してください。
なお、ナノートに搭載されているeMMCストレージは64GBとなかなかに少ないので、MicroSDなどストレージを拡張できる範囲は広ければ広いほど良いでしょう。(OSインストール後で34GB程度の空き容量でした。)
従来のMUGA(初代)は64GBまでのSD対応だったことを考えると、今回は256GBと大幅に性能UPしています。SDの価格もドンドン安くなっていますし、追加費用も安く済むでしょう。
バッテリー持ちが優秀
バッテリー持ち公表値はなかなかに優秀です。この小ささということもあり容量は約5000mAhしか搭載されていないのですが、それでも公表値は7時間です。
初代MUGAと比べるとバッテリー容量は半減しているのに公表値は同じ…。なんだか怪しかったのでしっかり実測で図ってみました。
動画鑑賞、ブラウジング、文書作成、音楽鑑賞などを満遍なく利用して5時間程度という結果でした。このレビュー記事も一部をナノートで書いています。
MUGAと比べて画面サイズが小さいことが直接の消費電力減に繋がっているのだと思います。また、ドラクエベンチマークの結果等から、若干の性能抑制が働いている?可能性もありそうです。
Office利用やブラウジングのみなら公表値の7時間程度は利用できそうです。
意外と本体が発熱しない
個体の小ささを考えると結構熱くなるかと思っていたのですが、案外発熱しないです。各種ベンチマークを回している時もキートップは常温ぐらい、本体裏が触って温かいぐらいです。
一応排熱用と思われるメッシュの通気口は本体バック側面部分に設置されており、エアフローは確保されている模様。(現状、ファンが回っているような音は確認できていませんが…)
詳細は分解してみないとなんとも言えませんが、ドラクエベンチマークの結果などを見ると、熱処理が内部でうまく解決できておらず、表面に伝わる前に籠もっている可能性も否定できません。
何にせよ本体を持っていて熱く感じることが無いのは嬉しいですね。
価格の安さ・コスパの良さ
一番の利点はコレでしょう。同ジャンルと言えるGPDPocket2など有名7インチノートは性能こそ優秀なものの、お値段も5万円以上するのが当たり前の世界です。
この小型PCジャンルに2万円切りの機体をブチこんだドンキは凄い。Steamの2Dゲームぐらいなら特に不便なく遊ぶことができます。
他機体と比べた性能の低さは妥協しないといけませんが「この小さなPCで何ができるか考える」という最高に楽しい時間を2万円で買えるのは強い。
本機の悪かったポイント
スピーカーの音は悪い
皆様既に察しているかと思いますが、音はMAX悪いです。諦めてね!この個体に搭載されているスピーカーとなると非常に小さいことは確実です。
一応ステレオ音質ではあるのですが、モノラルかステレオかなんて気にならないぐらい音はダメなので期待しないでください。ミドルスペックのスマホより悪いです。
音に関してはイヤホンを繋げば問題なくクリアな音が聞けるので大丈夫です。外での使用を想定していることもあり、スピーカーは二の次なのでしょう。
なお、音量に関しては十分に出ます。うるさいぐらい出ます。もちろん多少音割しますが…スピーカーの最大出力は優秀です。
トラックパッド系は完全に無能
写真中央の謎の突起がトラックパッドです。ここに指を滑らすことで操作を可能にします。一応タップでクリック動作などをさせることも可能。
まぁー、使いにくいです。完全に無能です。元々外出先ではトラックパッドしか使わない筆者ですが、これは扱えないです。めっちゃ操作難しい。(全く操作できない訳ではないですが、時間がかかります)
更に下部にあるクリックボタンはキーボードと打鍵感が同じという謎仕様。素直に小型のマウスを買いましょう。流石にこのまま使うのは苦行です。マウス使用(もしくはタッチ)前提のPCだと思って買ってください。
キーボード配列がキツイ
キーボードは打鍵感並程度な印象です。軽くもなく、固くもない。キーピッチは15.3mほどでした。少し小さいけど本体サイズを考えたらよくできています。
よくできているとは言っても打ちづらいことには変わりませんが…。写真を見てもらえればわかるように、配置がグッチャグチャなので見ながら打たないとマトモに入力できません。
なぜか上段数字部分周辺のひらがなだけ明朝体なのも気になります。なぜ変化をつけた。
半角全角キーもFnで入力する癖の強い配置になります。この機体で長文執筆はNGですね…。
本体の構造の問題が数点ある
2点構造で気になったことがあります。1つ目はヒンジがクッソ硬いことです。あまりにも硬いので開くときに若干個体がきしみます。力を入れすぎて本体が浮いちゃう時もあります。
この点は将来的に劣化でユルくなる可能性もあるため今後に期待です。
2つ目の問題は個体に歪みがあることです。若干内側に丸くなっているというか、斜めに歪んでいるんですよね…。端っこを押し込めばカタカタ揺れると言えば伝わるでしょうか。
安定性がなく方向キー当たりを強く打つとグラグラします。これがめっちゃ気になるんですよね…。
無線Lan(Wi-Fi)の拾いが悪い
まだ長期間触ったわけではないのでナントモ言えませんが、他無線機器と比べるとWiFiのつかみがかなり弱いような印象を受けました。ちょっと離れただけで電波が減ります。
テザリングなどスポットの近くにいる場合は問題ありませんが、自宅の別階層などからギリギリで無線LANを拾う場合などは要注意です。
※この項目については現在も検証中です。後日追記します。
各種ベンチマーク結果
ドラクエXのスコアは2840とまずまずの結果でした。設定は640x480x低画質です。Z8350なら少し低い程度でしょうか。プレイは難しいでしょう。
ストリートファイター4はランクC判定でした。FPSも常時40以上をキープしており、意外とプレイできそうです。設定は全て低にした上で解像度は640×480にしました。
内蔵ストレージ(eMMc)の速度はなかなか早かったです。アクセス速度は心配ないでしょう。一方MicroSBの読み込み書き込み速度は遅めな印象です。
cinebenchの結果は散々でした。191て…。笑
遊ぶならアリ!初心者は買ってはいけない…
というわけでサクッとレビューを書いてみましたが、オモチャとしては最高に楽しい機体です。個人的には大当たりを引いた気分で楽しく触っています。
こんな癖の強いモデルを一般人が買うことはまぁ~無いかとは思いますが、間違ってもPC初心者は買わないように気をつけてください。操作性の良さなんてゼロ!不便で仕方ないよ!起動も遅いよ!
でもZ8350の挙動を知っている、他のレビューも見ているといったようなユーザーならば望み通りの相棒となってくれるでしょう。大きなリュックにノートPCを入れなくても、コイツがいます。
暫くは楽しめそうです。ベンチマークや動作報告動画など、随時追加します。
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